◎イスラム国家で予言者ムハンマドやコーランを冒とくすることは死罪に当たる。
パキスタン東部パンジャブ州サルゴダでイスラム教の聖典コーランを冒とくしたとされるクリスチャンが暴徒に襲われた。警察が25日、明らかにした。
それによると、数百人のイスラム教徒がコーランを侮辱したと疑われているキリスト教徒の男性の自宅を取り囲み、略奪し火を放ったという。
警察が現場に急行し、キリスト教徒の男性2人を救出、警察署に避難させた。
報道によると、男性2人は軽傷を負ったものの、命に別条はないという。
パキスタンでこのような事件は珍しくなく、死者が出たこともある。
昨年8月にはパンジャブ州郊外の教会が怒れるイスラム教徒に焼き払われた。暴徒たちはキリスト教徒とその友人がコーランを破って投げ捨てるのを見たと主張していた。
2009年にはパンジャブ州のキリスト教徒がイスラム教を侮辱したという嫌疑をかけられた。その結果、6人のキリスト教徒が殺害され、約60軒の民家が焼き払われた。
警察の機動隊は25日の焼き討ちを取り締まり、暴徒を撃退した。逮捕者が出たかどうかは明らかになっていない。
警察によると、この男性が所有する小さな靴製造工場も焼き払われたという。
イスラム国家で予言者ムハンマドやコーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際にそれで死刑が執行されたことはない。