◎現場は首都キトの南西約300キロに位置する町のはずれにあるバー。
エクアドル・サンタエレナ県のバーで正体不明の武装集団が銃を乱射し、8人が死亡した。地元警察が11日、明らかにした。
それによると、このバーでは市内在住の家族がパーティーを開催していたという。
現場は首都キトの南西約300キロに位置する町のはずれにあるバー。タクシーと2台のオートバイに乗った複数人が店内外で銃を乱射した。
地元メディアによると、死亡が確認されたのは男性5人、女性3人。いずれも犯罪歴はなく、うち1人は店外で頭部を撃ち抜かれていたという。
サンタエレナ県はエクアドルで最も暴力的な地域のひとつであり、3つの港には麻薬カルテルとつながりある企業やギャングが事務所を構えている。
これらのカルテルやギャングはメキシコの強力なカルテルと連携していることがあり、軍や警察も躊躇なく攻撃する。
あるケースでは警察官の家族と近隣の友人が一斉に誘拐され、遺体となって見つかったこともある。
今年1月には服役中のギャングリーダーの命令で覆面をした武装集団が生放送中のテレビ局を制圧するという前代未聞の事件も発生した。
さらにメキシコに拠点を置く世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が今年、刑務所から脱獄。ノボア(Daniel Noboa)大統領はこれを受け、国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。
軍隊は現在、国内でテロ組織に指定されている約20のギャングを取り締まっている。
エクアドルの昨年の殺人事件数は約7600件。22年の約4400件から大幅に増加した。今年は5月初めの時点で1875件となっている。