◎知っておいてほしいことがあるのです。そう、幸いなことに、この国で起きているカルテル犯罪はその組織内で発生してるのです。彼らは市民を尊重しています。尊敬すべき人がたくさんいるのです。
メキシコのオブラドール大統領(Getty Images)

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は25日、訪問先の西部シナロア州で記者団の取材に応じ、「麻薬カルテルを含む暴力的な犯罪組織の戦闘員は、基本的に市民を尊重する尊敬すべき人々であり、組織内で殺し合っているだけだ」と主張した。

オブラドール氏の主張はカルテルの支配地域で生活する数百万人の現実とかけ離れている。カルテルは日常的に住民からみかじめ料を徴収し、拒否すれば殺害することも珍しくない。

ある地元記者はオブラドール氏に対し、「シナロア州のカルテルの態度はどうですか?」と皮肉を込めて尋ねた。

オブラドール氏はこう答えた。「時には奇妙なことに、尊敬に値する人と出会うことがあるのです...」

オブラドール氏は「知っておいてほしいことがあるのです。そう、幸いなことに、この国で起きているカルテル犯罪はその組織内で発生してるのです。彼らは市民を尊重しています。尊敬すべき人がたくさんいるのです」と主張した。

オブラドール氏は長い間、政府とカルテルが戦争状態にあるという米国などの指摘に反論してきた。

またオブラドール氏はカルテルとの戦争を望んでおらず、平和的に問題を解決するために、若者に職業訓練プログラムなどを提供することで、カルテルの構成員にならないよう訴えてきた。

メキシコはシリアやアフガンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつであり、麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人、行方不明者は数万人と推定されている。

世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの本拠地はシナロア州にある。その構成員数は関連組織も含めると10万~15万人と見積もられてる。

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