◎6月の国政選挙は同国史上最も暴力的になりつつある。
メキシコ軍の兵士(Getty Images)

メキシコの市長選に立候補していた2人が何者かに殺害された。捜査当局が19日、明らかにした。今年殺害された選挙候補はこれで17人となった。

同国では現在、6月2日の総選挙に向け、各地で選挙戦が繰り広げられている。オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領の後任を決める大統領選も同じ日に行われる予定だ。

捜査当局によると、候補の1人は北東部タマウリパス州シウダード・マンテの現職であるラモス(Noé Ramos Ferretiz)市長。再選を目指していた。

もう1人は南部オアハカ州の市長選に立候補していた男性候補。失踪届が出された翌日、遺体となって発見された。

オアハカ州地検によると、男性の遺体は郊外にある貯水池の近くに遺棄されていたという。死因は明らかになっていないが、全身に殴られたような跡があったと伝えられている。

この地域では複数の麻薬カルテルやギャングが縄張り争いを繰り広げている。

地元メディアによると、6月の国政選挙は同国史上最も暴力的になりつつあるという。選挙期間中に候補が17人も殺害されるのは異例だ。

タマウリパス州地検の報道官はSNSに声明を投稿。「ラモス氏は19日に襲撃を受けた」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

地元メディアは目撃者の話しとして、「ラモス氏は何者かに刺された」と伝えている。SNSで拡散した動画にはラモス氏とみられる男性が血まみれになって横たわる姿が映っていた。

タマウリパス州はメキシコで最も危険な地域のひとつであり、麻薬組織「湾岸カルテル」から派生した複数のギャング、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル」、その他のカルテルが血生臭い縄張り争いを繰り広げている。

地元メディアによると、シウダード・マンテは州南部に位置し、米国境とは距離がある。

中部グアナフアト州セラヤでは今月1日、市長選に立候補していた女性候補が路上で何者かに射殺された。さらに、同じ市長選に立候補していた男性候補も2日朝に襲撃を受け、行方不明になっている。

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