◎ウラル山脈南部の都市オルスクのダムが5日夜に決壊し、子供を含む4000人以上が避難を余儀なくされた。
ロシア政府は7日、ダムの決壊により洪水に見舞われた中部オレンブルク州に非常事態宣言を発出し、被災者の避難を進めると発表した。
オレンブルク州政府によると、ウラル山脈南部の都市オルスクのダムが5日夜に決壊し、子供を含む4000人以上が避難を余儀なくされたという。
中央政府は他の3地域でも洪水のリスクが高まっているとして、関係当局に対し、避難準備などを進めるよう要請した。
国営タス通信によると、オレンブルク州で浸水した家屋は6000戸を超えたという。
被害の全容は明らかになっておらず、州政府が調査を進めている。タスは関係者の話しとして、「被害総額は現時点で約210億ルーブル(344億円)と推定されており、さらに増える可能性がある」と伝えている。
国営テレビによると、非常事態省の高官らが7日に現地入りし、被害状況を視察したという。
中央政府はオレンブルク州政府の要請に基づき、非常事態を宣言。州政府と連携して復旧・復興に当たるとしている。
決壊したのはオレンブルク州のカザフスタン国境近くにあるダムとされる。タスによる、オルスクの被害が特に深刻で、少なくとも4500戸で浸水被害が確認されたという。オルスクの人口は約20万人。
ダムが決壊した経緯は明らかになっていない。タスは当局者の話しとして、「ダムの強度が建設基準を下回っていた可能性がある」と伝えているが、詳細は不明だ。
非常事態省のオルスク支部は6日朝、「ダムの水位が限界点の5.5メートルをはるかに超える9.3メートルに達した」と報告していた。
オルスク支部は洪水が発生した地域で4人が死亡したと報告している。