◎全土の刑務所で暴動が発生。刑務官少なくとも178人がギャングの人質になっている。
エクアドル・首都キトなどで爆弾騒ぎや重武装ギャングによる銃乱射が相次いだ。現地メディアが11日に報じた。
機動隊はキトの通りに設置された不審な車両を爆破解体。西部の都市ではナイトクラブが放火され、ギャングと治安当局による銃撃戦に発展、2人が死亡した。
キトの警察当局はバスターミナル近くのゴミ箱に爆弾があるという通報を受け、現場を封鎖。数十人を避難させた。
このゴミ箱に爆発物は入っていなかったが、警察によると、キトでは10日だけで爆発事件が少なくとも5件確認されたという。死傷者は出ていない。
一方、西部アマゾンの都市では何者かがナイトクラブに火を放ち、少なくとも2人が死亡、9人が負傷した。この火災は近隣の11店舗に拡大、警察が現場を封鎖し捜査に当たっている。
地元メディアは「ナイトクラブに火を放った重武装ギャングが警察に発砲し、逃亡した」と伝えている。
ノボア(Daniel Noboa)大統領は10日、ギャングが港湾都市グアヤキルのテレビ局を襲撃するなど、全土で暴力が拡大していることを受け、「戦争状態に突入した」と宣言。非常事態令に基づき、ギャングを一掃するよう陸軍と警察に命じた。
グアヤキルでは8日、世界最大の麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」と同盟関係にある麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が刑務所から脱獄。ノボア氏は国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じている。
市民は昨年の大統領選で候補が暗殺された時のように混乱が拡大するのではないかと懸念している。
マシアス受刑者が脱獄して以来、全土の刑務所で暴動が発生。刑務官少なくとも178人がギャングの人質になっている。
報道によると、陸軍と機動隊は暴動が発生した刑務所をすべて包囲したという。ギャングたちは一部の刑務官を買収して刑務所内に銃、爆発物、麻薬などを持ち込んでいる。