◎カナダ国会は6月下旬、テクノロジー大手に対し、オンラインコンテンツへのリンクや再利用に対してパブリッシャーに支払いを義務付けるオンラインニュース法を可決した。
カナダ政府は29日、米IT大手グーグルが同国の報道業界に年間1億カナダドル(約108億円)を支払うことで合意したと発表した。
同国内のメディアが発信した記事を保護し、テクノロジー企業にコンテンツ料の支払いを命じるオンラインニュース法は今年6月に可決。12月に施行される予定だ。
この法律による、カナダ国内のニュースを掲載してきたフェイスブックやツイッターなどのテクノロジー企業はコンテンツ料の支払いを義務付けられる。
トルドー(Justin Trudeau)首相は記者会見で、「グーグルはカナダのジャーナリズムを適切に保護・サポートすることに合意した」と称賛した。
またトルドー氏はフェイスブックとインスタを運営するメタ社を批判。「残念ながらメタ社は民主主義を守るというカナダの法律を無視し、言論の自由とジャーナリズムへの責任を放棄し続けている」と述べた。
この合意により、グーグルでカナダのニュースが閲覧できなくなるという事態は回避された。
メタ社は今年初めにカナダのニュースをブロックしており、フェイスブックとインスタでそれを閲覧したり、共有することはできない。
首相府の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「グーグルは国内の全ての報道機関が報じたニュースに対し、年間1億カナダドルのコンテンツ料を支払うことに合意した」と書き込んだ。
また報道官はこの決定について、「報道業界にとって朗報であり、世界の他の地域でより良い協定が締結された場合、カナダは規制を強化する権利を留保する」と強調した。
さらに報道官はメタ社が偽情報や誤報を放置していると糾弾。「同社はフェイスブック離れが進んでいる理由を理解すべきだ」と非難した。「メタ社はカナダのジャーナリストが書いた記事をタダで掲載させろと言っています...」
カナダ国会は6月下旬、テクノロジー大手に対し、オンラインコンテンツへのリンクや再利用に対してパブリッシャーに支払いを義務付けるオンラインニュース法を可決した。
メタ社はこの法律に対抗し、自社のプラットフォーム上でカナダのニュースコンテンツをブロックした。
グーグルのオーナーであるアルファベット社は以前、同法が12月に施行した場合はメタ社と同じ措置を取る可能性があると述べていた。