◎同国では2週間ほど前から海外企業の採掘契約取り消しを求める抗議デモが続いている。
パナマのコルティソ(Laurentino Cortizo)大統領は3日、新規鉱業権(地層から鉱物を採掘し、取得する権利)の資格を無期限停止する法案に署名した。
この法律は既存の鉱業権の更新も禁じるとしている。
国民議会(一院制、定数71)は2日にこの法案を賛成多数で可決した。
同国では2週間ほど前から海外企業の採掘契約取り消しを求める抗議デモが続いている。
既存の鉱業権を持つ企業は採掘を許可されるため、デモ隊が操業停止を求めているミネラ・パナマ社の露天掘り鉱山は20年間操業を継続できる予定だ。
環境活動家たちはこの鉱山が周囲の密林を破壊し、水源を危険にさらす可能性があると主張している。
ミネラ・パナマ社はカナダの鉱山会社ファースト・クォンタム・ミネラルズの現地法人である。
同社の弁護士はこの法案を歓迎し、「契約を破棄すれば政府が数百万ドルの法的責任を負う可能性があった」と指摘した。
一方、ミネラ・パナマ社との契約の賛否を問う国民投票を実施する別の法案は国会で審議待ちの状態である。
コルティソ政権は先月、ミネラ・パナマ社との契約を承認した。
地元メディアによると、露天掘り鉱山の操業停止を求めるデモは3日も全国各地で行われ、先住民族、教育・建設・医療分野の組合などが参加したという。