◎マドゥロ政権は野党候補の大統領選出馬を妨害する可能性がある。
ベネズエラの野党が主催する大統領予備選の開票・集計作業が終了し、同国初の女性大統領を目指すマチャド(María Corina Machado)元議員の勝利が確定した。野党選管当局が26日、明らかにした。
それによると、登録有権者240万人以上が選挙に参加し、そのうち約93%がマチャド氏を支持したという。
しかし、マドゥロ政権は野党候補の大統領選出馬を妨害する可能性がある。
検察当局は野党がこの選挙で不正行為を働いたと主張。刑事捜査を開始したようだ。
マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその仲間たちは野党予備選を妨害し、マチャド氏の大統領選出馬(来年予定)を禁じている。
それでも野党選管当局は26日、マチャド氏が他の野党候補を退け、予備選に勝利したと宣言した。
マチャド氏は記者団に対し、「多くの有権者が1票を投じてくれた」と述べ、「野党はその信頼に応えなければならない」と強調した。
野党は得票総数を予想していなかったが、この取り組みにかかわった人々は物流の問題、燃料不足、マドゥロ政権の弾圧・威嚇・嫌がらせなどから、100万票程度と予想していた。
しかし、22日の投票日には土砂降りにもかかわらず、数万人が何時間も列に並び、政権交代への希望を胸に1票を投じた。
マドゥロ政権は先週、米国が支援するベネズエラ野党団との交渉で、2024大統領選の候補を野党に選ばせることに原則合意した。
しかし、マドゥロ政権は過去にも法を捻じ曲げ、反対派に報復し、都合のいいように合意を破ってきた。
国会議長は240万人以上が予備選に投票したという野党の主張は「嘘っぱち」であり、選挙を「とんでもない詐欺」と呼んでいる。
国営テレビによると、検察当局は予備選の関係者が有権者の個人情報を盗んだり、資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した疑いがあるとして捜査すると主張している。
ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民800万人近くが国外に流出したと推定されている。
GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。
西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。