◎豪の国民投票を成功させるためには超党派の支持を得ることが不可欠であると広く考えられている。過去に行われた45回の国民投票のうち、成功したのはわずか8回である。
オーストラリア、シドニーの夜景(lucylin/Pixabay)

オーストラリアで14日、先住民族の地位に関する憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、反対が過半数を占める見通しとなった。

アルバニージー政権は先住民の地位を向上させ、その意見を国会に反映させる委員会の設置などを提案。それに伴う憲法改正の準備を進めてきた。

豪で最後に憲法が改正されたのは1977年。中央政府はそれ以来となる改正を提案したが、厳しい結果を突きつけられた。

この国民投票は国を二分。保守派は「とんでもない」と反対し、賛成派を罵ってきた。

選挙管理委員会によると、票の半数が集計された時点で改正に賛成が40%、反対が60%。集計確定には数日かかるとみられるが、反対が過半数を占めることはほぼ確実となった。

アルバニージー(Anthony Albanese)首相は14日、「反対派の運動がこの結果につながった」と批判した。

豪の国民投票を成功させるためには超党派の支持を得ることが不可欠であると広く考えられている。過去に行われた45回の国民投票のうち、成功したのはわずか8回である。

アルバニージー氏は昨年の議会選でこの国民投票を約束。モリソン(Scott Morrison)前首相らの保守政党は反対を表明していた。

アルバニージー氏は記者団に対し、「私は先住民の権利を確立するという信念に基づき、国民にそのことを繰り返し訴えてきた」と語った。

先住民の意見を国会に反映させる委員会の創設を提案した議員らは「この結果に打ちのめされている」と声明を出した。

憲法改正を支持する人々は「先住民の意見に耳を傾けることで、行政サービスがより効果的に提供され、先住民の生活により良い結果がもたらされる」ことを期待していた。

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