◎キプロスでは亡命を希望する中東・アフリカの移民をめぐる緊張が高まっており、当局は対応に苦慮している。
キプロス南部のリゾート地リマソールで行われた反移民デモが暴動に発展し、13人が逮捕された。地元警察が2日、明らかにした。
それによると、暴徒は店舗を破壊したり、ゴミ箱に火を付けたりしたという。
デモは1日夜に行われ、約500人が参加した。
デモ中に暴行を受けたとされる市民5人は病院に搬送され、手当てを受けた。命に別条はないという。
逮捕者の中にはデモ行進の主催者とされる人物も含まれていた。
地元メディアが公開した現地映像には損壊した小売店、路上で燃えるゴミ箱、反移民スローガンを唱えるデモ参加者の集団が映っていた。
4日前にはギリシャ系キプロス人とシリア難民のグループが衝突し、20人以上が逮捕されている。
この乱闘事件は島の南部に位置する小さな集落で8月28日夜に発生し、機動隊が出動する事態となった。
キプロスでは亡命を希望する中東・アフリカの移民をめぐる緊張が高まっており、当局は対応に苦慮している。
同国の移民数は人口の約6%を占め、EU加盟国の中で最も高い。
中央政府によると、アフリカ大陸・サハラ以南の移民を抑制する取り組みはうまく機能し、同国に亡命を申請する移民は大幅に減少したものの、この数カ月でシリア難民の不法入国が増加傾向にあるという。
今年6月と7月の亡命申請は合わせて1285件。昨年同期の3分の1以下に減少した。