◎キプロスに亡命を申請する移民の多くが北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)から陸路で入国している。
キプロス警察は29日、ギリシャ系キプロス人とシリア難民のグループが衝突し、21人が逮捕されたと発表した。
それによると、事件は島の南西部に位置する小さな集落で28日夜に発生。地元住民とシリア難民のグループ数百人が小競り合いを起こし、乱闘に発展したという。
機動隊は催涙ガスと放水砲を使用して何とか暴動を抑え込み、地元住民9人とシリア難民12人を逮捕した。
それによると、両グループの一部の暴徒がゴミ箱に火を放ったり、建物に放火したりしたという。
機動隊は両グループを何とか引き離したものの、暴徒が投げつけた火炎瓶により、隊員1人が火傷を負った。
国家警察の報道官は国営テレビの取材に対し、「地元住民が先にシリア難民に襲いかかり、乱闘に発展した」と語った。
逮捕された21人は武器の不法所持、傷害罪、公務執行妨害などの罪に問われている。
キプロス内務省によると、アフリカ大陸・サハラ以南の移民を抑制する取り組みはうまく機能し、同国に亡命を申請する移民は大幅に減少したものの、この数カ月でシリア難民の不法入国が増加傾向にあるという。
今年6月と7月の亡命申請は合わせて1285件。昨年同期の3分の1以下に減少した。
キプロスに亡命を申請する移民の多くが北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)から陸路で入国している。
キプロスは1974年のキプロス紛争で分裂。北キプロスはトルコ軍の支援を受けて1983年に独立を宣言したが、国際社会はこれを認めていない。