◎ロシア国防省によると、ウ側は12日の現地時間13時頃、ケルチ橋を標的にした。
ロシア本土と占領下のクリミア半島を結ぶケルチ橋にウクライナのミサイル2発が撃ち込まれたようだ。ロシア当局が12日、明らかにした。
それによると、ロ軍はミサイルの撃墜に成功し、人的・物的被害は出なかったという。
ソーシャルメディアで共有された動画にはケルチ橋の近くで煙が上がるところが映っていた。ロシア国防省は地対空ミサイルS200が使用されたとしている。
ケルチ橋への攻撃はこの数カ月で少なくとも2回確認されている。この橋は2018年に開通し、ロシアとクリミアを道路・鉄道で結んでいる。
これはウクライナ南部の一部を占領しているロ軍の重要な補給ルートであり、ウ軍の標的になり得る。
ロシア国防省によると、ウ側は12日の現地時間13時頃、ケルチ橋を標的にした。
地対空ミサイルS200は冷戦時代の兵器で、敵航空機を破壊するために設計されたものだが、ケルチ橋に撃ち込まれたものは地上攻撃用に改良されたものだという。
クリミア半島のロシア知事は12日、ケルチ橋上空でミサイルが撃墜されたとテレグラムに投稿した。
また知事はクリミア半島付近でウ軍のドローン20機を撃墜したと主張した。
ウクライナ大統領府はロシアの主張に関する声明を出していない。ケルチ橋への攻撃はウ側の作戦のひとつとみられる。
ウクライナ侵攻を独自に分析するウェブサイト・ユーロメディアンプレスは先月、ロシア南部ロストフ州とブリャンスク州の軍事目標などに対し、改造された地対空ミサイルS200が使用されたと報じた。
ケルチ橋は先月も攻撃に見舞われ、民間人少なくとも2人が死亡、1人が負傷している。
この攻撃にはウ側の水上ドローンが使われたとされる。ウ軍はこの攻撃に関与したとは明言していない。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はその後、「クリミア半島の橋は合法的な軍事標的であり、ロシアに日常的に弾薬を供給している」と述べ、ウ軍の標的になり得ると示唆した。「当然のことながら、それは我々の標的だ。平和ではなく戦争をもたらす標的は無力化しなければならない」