◎クラマトルスクはウクライナの管理下にあり、ロシア占領地に近い。
ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は28日、東部ドネツク州クラマトルスクのレストランに対するロシア軍のミサイル攻撃を支援したとされる男を国家反逆罪で起訴すると明らかにした。
このレストランは27日にミサイル攻撃を受け、10代の若者3人を含む少なくとも11人が死亡、60人以上が重軽傷を負った。
ゼレンスキー氏はポーランドおよびリトアニア両首脳との共同記者会見で、「ロシアのテロに手を貸した者は極刑に値する」と断じた。
治安当局によると、この男はミサイルが着弾する数時間前にこのレストランの映像をロシア軍に送ったという。
それ以上の詳細は明らかになっていない。
このミサイル攻撃で14歳の双子の姉妹と17歳の少女を含む少なくとも11人が死亡した。
クラマトルスク市議会はSNSに声明を投稿。「これ以上、ロシアのテロを許してはならない」と訴えた。
ウクライナ当局は逮捕した男の写真を公開し、ロシアの工作員と説明している。
ゼレンスキー氏はビデオ演説の中でもこのミサイル攻撃に触れ、「治安当局が警察の特殊部隊と協力して容疑者を拘束した」と述べた。
報道によると、レストランでの捜索・救助活動は28日午後の時点で継続中。
クラマトルスクはウクライナの管理下にあり、ロシア占領地に近い。同市の駅は昨年4月にミサイル攻撃を受け、民間人50人以上が死亡している。
AP通信によると、今回標的となったレストランはジャーナリスト、ボランティア、近くの前線で戦ったウクライナ兵などを定期的に受け入れていたという。
爆発に巻き込まれたとされるウクライナの作家(身元は明かされていない)は重体と伝えられている。コロンビアの元政府関係者も軽傷負った。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は28日、「ロシア軍の民間人に対する攻撃は国連憲章に反する」と非難した。
またペトロ氏は外務省に抗議文書を提出するよう命じたと明らかにした。
現場近くでカフェを営む女性はロイター通信の取材に対し、「ガラスも窓もドアも、何もかも吹き飛んでしまった」と語った。
ロシア国防省はクラマトルスクのウクライナ軍施設を破壊したと主張。それ以上の詳細には触れず、レストランにも言及しなかった。
ウクライナ国防省は28日、同国の防空網は全土をカバーできておらず、不十分であると表明。西側諸国にさらなる支援を呼びかけた。
ウクライナ軍は米国製戦闘機F16を含む西側の戦闘機を供与するよう求めている。
米国は先月、西側の同盟国が保有するF16のウクライナへの供与を認め、ウクライナ軍パイロットへの訓練を支援することで合意した。