◎イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化し、各地で暴力事件が相次いでいる。
2023年6月22日/ヨルダン川西岸地区の都市ナブルス、イスラエル軍に破壊された民家(Majdi Mohammed/AP通信)

イスラエル軍は22日、昨年イスラエル兵を殺害したとされるパレスチナ人受刑者の自宅を爆破した。

この解体の数時間前、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区のジェニン近郊を空爆。パレスチナ人武装勢力3人を殺害した。

21日には怒れるイスラエル人入植者が西岸地区のパレスチナ人居住区を襲撃し、家や車を焼き払った。

イスラエル軍は今週、10代の若者2人を含むパレスチナ人7人を殺害。パレスチナの武装勢力はこれに応え、17歳の少年を含むイスラエル人4人を射殺した。

地元メディアによると、怒れるイスラエル人入植者数百人は21日、銃撃事件が発生した現場近くの集落に攻め込み、家や車を焼き払ったという。

そして日没後、イスラエル軍はこの銃乱射に関与したとされる容疑者を乗せた車両をドローンで空爆した。

ガザ地区に拠点を置くイスラム過激派組織「イスラム聖戦」は23日、このドローン空爆で死亡した3人は組織のメンバーであると発表。イスラエル軍に復讐すると誓った。

イスラエル軍が23日に公表した映像にはナブルスの民家を破壊する兵士の姿が映っていた。この建物は爆破されたものの、崩壊は免れたようだ。負傷者は確認されていない。

西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は135人に達した。その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。東エルサレムや西岸地区などで今年殺害されたイスラエル人は25人となっている。

イスラエル政府は昨年初頭にイスラエルの民間人を標的としたパレスチナ人によるテロ攻撃が相次いだことを受け、西岸地区の取り締まりを強化した。

イスラエル政府は殺害したパレスチナ人のほとんどが武装勢力であると主張。人権団体は占領に抗議した非武装の若者や、対立に関与していないジャーナリストなどが殺害されたと非難している。

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