◎ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスが事件への関与をほのめかした。
2023年6月20日/ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地、銃乱射事件が発生した現場(Ohad Zwigenberg/AP通信)

ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地で20日、パレスチナ人2人が銃を乱射し、少なくとも4人が死亡、数人が負傷した。イスラエル軍が明らかにした。

事件は入植地近くにあるレストランとガソリンスタンドで発生。民間人が容疑者1人を射殺し、その後、イスラエルの治安部隊が現場から逃走したもう1人を射殺した。

報道によると、ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスが事件への関与をほのめかしたという。

レストランとガソスタで撃たれ死亡した4人は全員イスラエル人とみられ、年齢は18歳から64歳と伝えられている。

西岸地区の都市ナブルスではこの事件に激怒したイスラエル人が周辺のパレスチナ人集落を襲撃し、民家に火を放ったり、石を投げたりした。

イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化し、各地で暴力事件が相次いでいる。

イスラエル軍は19日、ナブルスの難民キャンプを急襲し、武装勢力の戦闘員とされるパレスチナ人6人を殺害した。

同軍は銃撃戦で負傷した兵士を搬送するためにガンシップを投入した。西岸地区にイスラエルのヘリ部隊が派遣されたのは20年ぶりであった。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、ナブルスの銃乱射事件を非難し、「テロリストを一掃する」と宣言。この地域に増援部隊を送ると表明した。

ハマスともうひとつの過激派組織「イスラム聖戦」は銃乱射事件を称賛している。

ハマスの報道官はフェイスブックに声明を投稿。「ヨルダン川の革命家はあらゆる場所で、特にイスラエルが予期していない場所を攻撃できる」と主張。銃乱射はイスラエル軍の犯罪行為に抵抗する取り組みのひとつであると述べた。

東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人はこれで25人となった。

一方、西岸地区などで今年殺害されたパレスチナ人は130人近くに達し、その半数が武装勢力に所属していない一般人とみられる。

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