ボリビア大統領、非常事態宣言の手続きを簡略化、抗議デモ続く
ボリビアでは5月初旬から大規模な抗議デモが続いている。
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南米ボリビアのパス(Rodrigo Paz)大統領は27日、国家非常事態の宣言手続きを簡素化するため、従来の制限法を撤廃した。政府機関紙を通じて公表し、国内各地で続く抗議デモや道路封鎖への対応を迅速化する狙いがある。新制度では、大統領が非常事態宣言を議会に要請し、議会側は72時間以内に承認または否決を判断する仕組みとなる。
ボリビアでは5月初旬から大規模な抗議デモが続いている。支持者を含む労働組合や鉱山労働者団体、先住民組織などが全国で道路封鎖を実施し、首都ラパスでは食料や燃料、医薬品の不足が深刻化している。抗議デモの中心には、燃料補助金削減や緊縮財政への反発があり、一部のデモ参加者はパス氏の辞任を求めている。
パス政権は経済の立て直しには歳出削減が不可欠だと強調している。同国は過去の左派政権時代から天然ガス輸出の減少や外貨準備の減少に直面し、財政悪化が進んでいた。政府は燃料補助金見直しや公共支出削減を打ち出したが、生活費高騰を招き、市民の不満を急速に高める結果となった。パス氏は25日、自身と閣僚の給与を50%カットすると発表し、「国民と負担を共有する」と訴えたが、抗議の沈静化にはつながっていない。
政府はこれまで、封鎖地域への物資輸送を確保するため「人道回廊」を設置するなど、強硬措置と対話を並行して進めてきた。赤十字やカトリック教会も支援に加わり、医療物資や酸素ボンベの輸送が行われている。しかし、一部地域では警察との衝突が発生し、死傷者も出ている。現地メディアによると、ラパス近郊では24歳の男性が治安部隊との衝突で死亡したとされ、緊張がさらに高まっている。
今回の法改正について、与党だけでなく一部野党議員も支持を表明した。政府側は「国家機能を維持するために必要な措置」と説明するが、市民団体の間では権力集中につながるとの懸念も出ている。ボリビアでは過去にも政治危機の際に非常事態宣言が検討され、民主主義や人権への影響が問題視された経緯がある。
抗議デモの背後にはモラレス(Evo Morales、指名手配中)元大統領の影響も指摘されている。政府は一部勢力が政権転覆を企てていると非難し、米国政府も「民主的に選ばれた政権への脅威」として懸念を示している。一方、モラレス派は経済政策への抗議だと主張し、政府側の対応を弾圧だと批判している。社会不安が長期化する中、パス政権が秩序回復と経済再建を両立できるかが焦点となっている。
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