SHARE:

バングラの「ドナルド・トランプ水牛」、屠殺免れる、政府が異例の介入

ドナルド・トランプはイード・アル・アドハーの犠牲用として売却されることが決まっていた。
2026年5月20日/バングラデシュ、ドナルド・トランプと名付けられたアルビノのバッファロー(ロイター通信)

バングラデシュで「ドナルド・トランプ」と名付けられた珍しいアルビノの水牛が、イスラム教の祝祭「イード・アル・アドハー(犠牲祭)」で屠殺される寸前に救われ、国内外で大きな話題となっている。政府が異例の介入を行い、首都ダッカの国立動物園へ移送することを決定したためだ。ドナルド・トランプはその特徴的な金色の前髪が米国のトランプ(Donald Trump)大統領の髪型に似ているとして、SNS上で爆発的な人気を集めていた。

ドナルド・トランプは首都ダッカ近郊ナラヤンガンジの農場で飼育されていた。体重は約700キログラムに達し、淡いクリーム色の体毛とピンク色の鼻、そして額から垂れ下がる長い金髪が特徴だ。飼い主によると、ドナルド・トランプという名前は弟が冗談半分で付けたという。しかし、そのユニークな外見がSNSで拡散されると、農場には全国各地から見物客が殺到し、自撮り写真を撮る人々で連日混雑した。

ドナルド・トランプはイード・アル・アドハーの犠牲用として売却されることが決まっていた。イスラム教徒が羊や牛、水牛などを屠り、神への信仰を示すこの祭礼は、バングラでも重要な宗教行事となっている。しかし、人気の高まりによって農場周辺に大量の人が押し寄せたことから、政府は安全上の問題を懸念。内務省が介入し、購入者への返金とドナルド・トランプの保護を命じた。内務省関係者は「異常なほどの世間の関心と治安上の懸念から、最後の瞬間に救済が決まった」と説明している。

ドナルド・トランプはダッカ国立動物園へ移される予定で、一般公開される見通しだ。バングラでアルビノ種の水牛は非常に珍しく、多くの家畜が黒色である中、この個体はひときわ目立つ存在だった。飼い主によると、ドナルド・トランプはアルビノ特有の”繊細さ”があり、健康維持のために1日4回の入浴と4回の食事が必要だったという。また、「非常に穏やかな性格で、刺激しない限り攻撃的になることはない」とも語っている。

今回の騒動はSNS時代ならではの現象としても注目されている。動物に有名人の名前を付ける文化は以前から存在したが、ここまで国際的な注目を浴びた例は珍しい。海外メディアも相次いで報道し、「ドナルド・トランプ水牛」は一躍インターネット上の人気者となった。結果的に、その“トランプそっくり”な外見が命を救った形となり、バングラ国内では「ネットが一頭の水牛を救った」と語られている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします