キューバ電力危機、改善の兆し見えず、市民の日常生活崩壊
首都ハバナですら、計画停電が20時間以上続く地域も珍しくない。
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キューバで深刻な電力危機が続いている。数日間にわたりブラックアウトが繰り返される中、市民は電気が戻った短い時間に調理や洗濯、携帯電話の充電、水くみ上げなどを一気に済ませなければならず、日常生活そのものが不規則な電力供給に左右されている。
首都ハバナですら、計画停電が20時間以上続く地域も珍しくない。真夜中に突然電気が復旧すると、多くの家庭では眠りを中断して炊飯器や洗濯機を動かし、冷蔵庫を冷やし直し、携帯電話や蓄電池の充電を始める。電気が再び止まるまでの短い時間を逃さないためで、人々の生活リズムは完全に崩れている。
こうした状況を受け、一部の家庭は海外に住む親族から送られた小型発電機やソーラーパネル、携帯用蓄電池を活用している。しかし、これらを購入できるのは送金を受けられる家庭などに限られ、多くの住民は電気の復旧を待つしかない。猛暑の中で扇風機やエアコンも使えず、夜になると少しでも涼しい風を求めて海沿いの通りや防波堤で眠る人々の姿も見られる。
今回の危機の背景には、老朽化した発電設備に加え、深刻な燃料不足がある。キューバ共産党は必要な燃料の約4割しか国内で生産できず、輸入への依存度が高い。しかし、トランプ米政権が今年1月、キューバに石油を供給する国への制裁を打ち出したことで燃料の確保が一段と困難になった。政府は米国による「エネルギー封鎖」が危機を悪化させたと主張する一方、米側は国営経済の非効率性や長年の管理不足が根本原因だとしている。
停電は交通機関や観光業にも打撃を与え、多くの職場で勤務時間が短縮され、病院では手術の延期を余儀なくされるケースも発生している。生活必需品の不足やインフレも重なり、国民の不満が高まり、一部地域では抗議デモも起きている。
それでも住民の多くは、限られた電力を分け合いながら日々の生活を維持しようとしている。慢性的な停電は今や一時的な非常事態ではなく、キューバ社会の日常となった。電力網の抜本的な改善や燃料供給の安定化が実現しない限り、この苦しい生活が続くとの見方が強まっている。
