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ボリビア大統領が給与50%カット、反政府デモ拡大中

パス氏は南部スクレの式典で演説し、「国家が困難な状況に直面する中、政府も痛みを分かち合わなければならない」と強調した。
2026年5月21日/ボリビア、首都ラパス近郊、モラレス元大統領の支持者たち(ロイター通信)

南米ボリビアで続く大規模な抗議デモを受け、パス(Rodrigo Paz)大統領は25日、自身と閣僚の給与を50%削減すると発表した。燃料不足や物価高騰に対する国民の不満が拡大する中、政権側が痛みを共有する姿勢を示した形だが、デモの沈静化につながるかは不透明な情勢となっている。

パス氏は南部スクレの式典で演説し、「国家が困難な状況に直面する中、政府も痛みを分かち合わなければならない」と強調した。削減対象には大統領本人だけでなく、全閣僚の給与も含まれる。政府は今回の措置について、財政支出の抑制だけでなく、国民に対する連帯の意思表示だとしている。

ボリビアでは今月初めから抗議デモが全国規模に拡大している。労働組合、鉱山労働者、運輸業者、農村部の団体などが道路封鎖やストライキを実施し、ラパスを含む主要都市で物流が停滞した。その結果、食料や燃料、医薬品不足が深刻化し、市場や病院、ガソリンスタンドに長い列ができる事態となっている。

抗議の背景には、政府が進める緊縮政策への反発がある。パス政権は過去の左派政権が残した財政赤字と外貨不足への対応として、燃料補助金の削減や歳出抑制策を進めてきた。しかし、これにより生活費が上昇し、市民生活への打撃が強まった。特に運輸部門では燃料供給不足が深刻化し、各地で無期限ストが相次いでいる。

一部のデモ隊は政策転換だけでなく、パス氏の辞任も要求している。政府側は抗議デモの背後に旧左派政権を率いたモラレス(Evo Morales、指名手配中)元大統領の支持勢力が存在すると主張しているが、モラレス氏側は関与を否定している。混乱の拡大を受け、米国や欧州各国は対話による解決を呼びかけている。

政府は22日からラパスとその周辺に「人道回廊」を設置し、道路封鎖地域を通じて食料や医療物資を輸送する措置を開始した。赤十字やカトリック教会も支援に加わっているが、各地で封鎖が続き、経済活動への影響が拡大している。銀行の一部支店は安全上の理由から営業を停止し、物流停滞による損失は1日当たり数千万ドルに上るとの試算もある。

2025年11月に就任したパス氏は中道路線への転換を掲げて約20年続いた左派政権に代わって誕生した。しかし、就任から半年余りで深刻な経済危機と政治不安に直面している。今回の給与削減は象徴的な意味合いが強いものの、国民の怒りを鎮める決定打となるかは見通せない。ボリビア情勢は今後も不安定な状態が続く可能性が高い。

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