◎ルカシェンコ氏はロシア軍の後方支援に回り、侵略戦争を擁護してきた。
中国とベラルーシの首脳は1日、ウクライナ侵攻の平和的解決に高い関心を表明した。
中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とプーチン(Vladimir Putin)露大統領の盟友であるベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は北京で会談後、声明を発表した。
ルカシェンコ氏はウクライナ侵攻を終わらせる中国の仲裁案を「完全に支持する」と表明した。
共産党は先週、12項目からなる和平案を提案し、侵攻の速やかな終結を呼びかけた。
それによると、共産党は▽西側の対ロシア制裁の全面解除▽核施設の安全確保▽民間人を避難させる人道回廊の設置▽穀物の輸出確保などを要求している。
ベラルーシの国営通信社ベルタは、「両首脳はウクライナの紛争に深い懸念を表明し、ウクライナの平和ができるだけ早く確立されることに極めて大きな関心を持っている」と報じた。
ルカシェンコ氏はロシア軍の後方支援に回り、侵略戦争を擁護してきた。
アナリストは今回の中国訪問について、「ベラルーシは西側と対立する中露との関係を確固たるものとし、最悪の事態に備えようとしている」と指摘している。
ルカシェンコ氏は中国の和平案を称賛した。
12項目からなる文書は「すべての国の主権を尊重する」としている。ただし、ロシアがウクライナから軍を撤退させなければならないとは書いておらず、西側の対ロシア制裁を非難し、全面解除を求めている。
ベラルーシ大統領府は首脳会談中のルカシェンコ氏の発言を引用し、「あなた(習主席)が提唱した国際安全保障に関するイニシアチブを全面的に支持する」と報じた。
またルカシェンコ氏は、「政治的決定は何よりもまず、勝者のいない世界大戦への転落を防ぐことを目的とすべきだ」と語った。
西側は中国の提案に懸念を示している。
ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は先週、その一部と共産党の「関与」に賛成した。
ゼレンスキー氏は習主席との首脳会談を求めているが、北京は今のところこの呼びかけに表立っては応じていない。
中国中央テレビ(CCTV)は習主席の発言を引用し、「すべての冷戦的な考え方を捨てることが重要だ」と報じた。
また習主席は、「各国は世界経済の政治化をやめ、停戦と平和的解決を推進すべきだ」と語った。
ゼレンスキー氏は「クリミア半島を含むウクライナの全領土からのロシア軍の完全撤退」を求めており、「1インチたりとも領土は割譲しない」と誓っている。