◎トルコでは少なくとも34万5千戸の民家・アパートが倒壊。まだ多くの人が行方不明になっており、死者数はさらに増えると見込まれている。
トルコ政府は19日、南部のシリア国境付近で発生した大地震について、2地域を除き、救助活動を終了したと発表した。
地震発生からまもなく2週間となる。
災害緊急事態対策庁(AFAD)の報道官によると、震源地に近いカフラマンマラシュ県とハタイ県の救助活動は継続するという。
しかし、瓦礫の中から生存者が見つかる可能性は急速に失われつつある。
米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は19日にトルコ入りし、1億ドルの人道支援を提供すると発表した。
トルコ・シリア両政府によると、死者は両国合わせて4万6000人を超えた。
トルコでは少なくとも34万5千戸の民家・アパートが倒壊。まだ多くの人が行方不明になっており、死者数はさらに増えると見込まれている。
被害の全容は明らかになっておらず、行方不明者の数も不明だ。内戦で疲弊するシリアの人道団体は賢明な救助活動と続けている。
AFADの報道官は「多くの県で救助活動を打ち切った」と発表した。
報道官によると、2県の約40の建物で救助活動を続けているが、これもまもなく打ち切ることになるという。
救助隊は地震発生から11日以上経過した17日に少なくとも3人を瓦礫の中から救い出した。
一方、ブリンケン氏は地震発生前からトルコへの渡航を計画しており、支援を表明するために被災地を視察した。
ブリンケン氏は記者団に対し、「新たな援助はまもなく動き出す」と語った。
またブリンケン氏は内戦下のシリアに援助を届けることは「非常に非常に困難」と強調した。
米国はアサド政権ではなくシリアで活度する人道機関を通じて被災者に支援を提供するとしている。
ブリンケン氏はハタイ県に移動し人道支援活動を視察。20日にはエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と会談する予定だ。
両氏はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟をめぐる問題についても協議する予定である。