◎米国の駐アフガン特使はツイッターに声明を投稿。「犯人を捕らえ、責任を追及せよ!」と怒りを表明した。
米政府は16日、アフガンの元国会議員ナビザダ(Mursal Nabizada)氏が何者かに射殺された事件に怒りを表明し、タリバンに犯人を逮捕するよう促した。
ナビザダ(Mursal Nabizada)氏は15日、首都カブールの自宅1階で射殺された。警備員1人も死亡、ナビザダ氏の弟と別の警備員1人も負傷したと伝えられている。
ナビザダ氏は2021年8月の政変以降もカブールにとどまった数少ない女性議員のひとり。タリバンの政権奪取以降に議員または元議員が殺害されたのは初めて。
米国の駐アフガン特使はツイッターに声明を投稿。「犯人を捕らえ、責任を追及せよ!」と怒りを表明した。
また特使はナビザダ氏と遺族に哀悼の意を表し、「公正な裁判で正義が下されることを願う」と述べた。
カブール警察によると、ナビザダ氏と警備員は14日の現地時間午前3時頃に同じ部屋で射殺され、警備員の1人が現金と宝石を奪って逃亡したという。
欧州議会のノイマン(Hannah Neumann)議員も悲しみと怒りを表明した。「私は悲しく、激怒しています!人民の奉仕者であるナビザダ議員は暗闇の中で殺され、タリバンは真っ昼間からジェンダー・アパルトヘイトシステムを構築しています」
アフガン旧政権のアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)前国家和解高等評議会議長も15日、SNSに追悼メッセージを投稿した。「彼女は人民の代表であり、奉仕者でした」
ナビザダ氏は東部ナンガルハル州出身。2018年の選挙で初当選を果たし、タリバンが政権を奪取するまで在職。タリバン復権以降は民間のNGOに勤務していた。
タリバンは1990年代の旧政権を彷彿とさせる女性差別政策を推進し、シャリア(イスラム法)に基づく完全なイスラム国家の建設を目指している。
アフガンの女性はNGO、大学、中等学校から排除され、公園すら利用できない。