◎米国のティックトックユーザーは1億人を超えている。
米国の民主・共和党議員で構成される超党派グループは13日、国家安全保障への懸念が高まっているとして、中国のソーシャルメディアアプリ「ティックトック(TikTok)」を禁止する法案を連邦議会に提出した。
超党派はティックトックを運営するバイトダンス(字節跳動)がユーザーの個人情報を抜き取っていると非難している。
連邦捜査局(FBI)の長官も先月、中国政府がこのアプリを使って米国のユーザーに影響を与えたり、電子機器をコントロールしたりする可能性が高まっていると警告した。いくつかの州はすでにアプリのダウンロードを禁じている。
米国のティックトックユーザーは1億人を超えている。
バイトダンスは州の決定を「政治的動機によるもの」と批判し、共産党はアプリに一切関与していないと主張している。
ティックトックと米国の紛争はトランプ政権下で始まった。トランプ(Donald Trump)前大統領はアプリの新規ダウンロードを禁じる大統領令に署名したが、ティックトックの異議申し立てに阻まれている。
バイトダンスは13日の声明で、「同社は議員に説明を求める」と述べている。
ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」はこの問題について、「米中間の緊張を示すもの」という見方を示している。
この問題に詳しい専門家によると、共産党がティックトックユーザーの個人情報を悪用したという証拠は示されていないという。
CSISは「ティックトックの疑惑は晴れていないが、他の企業、ウェブサイト、アプリも個人情報を収集していることを忘れてはならない」と述べている。
ティックトックを禁止すべきという声はオーストラリアなどでも高まっている。台湾は最近、公共部門でのティックトック使用を禁じた。インド政府は係争地で衝突が発生した2020年以降、ティックトックをブロックしている。
トランプ氏は2年前にこのアプリの新規ダウンロードを禁じる大統領令に署名したが、バイトダンスが裁判所に異議を申し立て、施行を阻止した。
バイデン(Joe Biden)大統領はこの大統領令を撤回しているが、ティックトックを完全に支持したわけではない。
米国における外国人の所有権を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)はバイトダンスにティックトックの売却を求めており、現在も交渉を続けている。
法案の支持者である共和党のルビオ(Marco Rubio)上院議員は13日、少なくとも1人の民主党員から支持を得ていると述べ、「議会はティックトック禁止をもっと急ぐべきだった」と指摘した。
またルビア氏は「中国、ロシア、および他の懸念される外国にある、またはその影響下にあるソーシャルメディア企業との取引をすべて禁じるべきだ」と述べた。「クリエイティブな動画を撮りたいユーザーには申し訳ないですが、このアプリは米国の児童と成人数千万人の個人情報を毎日収集しており、極めて危険です」