◎エクアドルの刑務所では暴動や抗争が相次いでおり、殺人が常態化している。
エクアドル当局は18日、首都キトにある刑務所で暴動が起き、受刑者10人が死亡したと発表した。
警察は声明で、「受刑者たちは麻薬カルテルとつながりのあるギャングのリーダー3人を別の刑務所に移すと政府が決定したことに反発し、暴動を起こしたようだ」と述べている。
死亡した10人の死因は明らかにされていない。
エクアドルの刑務所では暴動や抗争が相次いでおり、殺人が常態化している。一部のギャングは刑務所の管理者に賄賂を渡し、受刑者に銃、爆弾、麻薬を供給していると伝えられている。
警察によると、軍は暴動が起きた刑務所の支配権を取り戻したという。
検察は死亡した10人の遺体を収容、調査するとしているが、詳細は明らかにしなかった。
今月3日に最大都市グアヤキルの刑務所で発生した暴動では治安部隊と武装受刑者が衝突。この前日にも同じ刑務所で抗争で勃発し、受刑者2人が死亡、6人が負傷している。
この刑務所では過去1カ月で受刑者少なくとも13人が殺害された。昨年9月の抗争では126人が死亡している。
一連の暴動を受け、ラソ(Guillermo Lasso)大統領は少なくとも10のギャングのリーダーを別の刑務所に移すこととした。
当局は刑務所内の「縄張り争い」を抑える取り組みを進めている。
地元メディアによると、全国の刑務所の収容率は軒並み100%を超え、一部の刑務所は超満員状態だという。
昨年殺害された受刑者は316人。今年は11月初めの時点で130人まで減少した。
政府の統計によると、エクアドルの2021年の殺人発生率は人口10万人あたり14件と2020年からほぼ倍増し、今年1月~10月にかけては10万人あたり18件に達したという。