◎事件はカイバル・パクトゥンクワ州スワート渓谷の中心都市ミンゴラで10日に発生。運転手が銃撃を受け死亡、子供1人が重傷を負った。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で11日、スクールバスが襲撃を受けた事件に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
事件は同州スワート渓谷の中心都市ミンゴラで10日に発生した。警察によると、運転手が死亡、子供1人が重傷を負ったという。
カイバル・パクトゥンクワ州はイスラム過激派組織「パキスタンのタリバン運動(TTP)」の聖域と呼ばれていたが、政府は2010年の軍事作戦でこの地域の過激派を掃討したと宣言している。
報道によると、この掃討作戦で数十万人が州外への避難や転居を余儀なくされたという。
ミンゴラの中心部に集まった人々は市民に対する攻撃を非難し、警察に容疑者の即時逮捕を要求した。市内の企業や市場もデモに連帯して閉鎖された。
デモ隊が掲げたプラカードには「苦労して手に入れた平和を破壊させるな」「手遅れになる前に行動しろ」「今すぐテロリストを逮捕して」など、警察に対する要求が書かれていた。
スクールバスへの攻撃は、女子教育の擁護者であるスワート渓谷出身の人権活動家マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)氏が撃たれた事件と重なる。
ユスフザイ氏は洪水の被災地を訪問するために11日にパキスタンに到着した。
10日の襲撃で死亡した運転手の葬儀はまだ行われていない。遺族も犯人の即時逮捕を要求している。
地元警察によると、犯行声明は出ていないという。警察はオートバイで現場から逃走した容疑者を追跡中と報告している。
AP通信は自治体関係者の話を引用し、「スワート渓谷にある1300の私立学校は11日まで休校」と報じている。地元メディアによると、一部の私立学校は12日から暴力に抗議するストライキと教員によるデモを行う予定だという。