◎警察の報道官はイスラム原理主義過激派グループ「アブサヤフ」の戦闘員3人が脱獄を試みたと説明している。
フィリピン、首都マニラ郊外の刑務所(Getty Images)

フィリピンの警察当局は8日、首都マニラの刑務所で受刑者が刑務官を刺し、収監中の元上院議員を一時人質にとったと発表した。

国家警察の報道官によると、デリマ(Leila de Lima)元上院議員に怪我はなく、警察は事件に関与した受刑者3人をその場で射殺したという。

デリマ氏はドゥテルテ(Rodrigo Duterte)前大統領の麻薬撲滅戦争批判の急先鋒として知られていたが、2017年に逮捕された。

報道官はイスラム原理主義過激派グループ「アブサヤフ」の戦闘員3人が脱獄を試みたと説明している。

報道官によると、3人のうち1人は8日早朝、受刑者に朝食を提供していた刑務官を刺したという。これを確認した別の刑務官が威嚇射撃を行ったものの、刃物を持った男ともうひとりが降伏を拒否したため、その場で射殺された。

3人目の男はデリマ氏の房に侵入し、人質にとったものの、騒ぎを聞きつけた武装チームがこの男を射殺。デリマ氏は九死に一生を得た。

報道官は記者団に対し、「彼女は無事だ。警察は刑務所内で発生した凶悪事件を即座に解決した」と語った。

デリマ氏は弁護士でもあり、約10年にわたってドゥテルテ氏と、麻薬撲滅戦争で多くの市民を殺害したとされる殺人部隊の関係を突き止めようとしていた。

しかし、政府は2017年、デリマ氏がアキノ(Benigno Aquino)政権で法相を務めていた際に麻薬密売を主導していたとして訴追。裁判所が逮捕状を出し、デリマ氏はマニラの上院内で逮捕された。

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