◎米テスラ社のマスクCEOは今年4月、ツイッター社を440億ドルで買収すると発表した。
米ツイッター社は6日、テスラ社のマスク(Elon Musk)CEOによる買収再提案について、「そう簡単に応じるわけにはいかない」と反撃した。
ツイッター社はデラウェア州の裁判所に提出した書簡の中で、「マスク氏は倫理的責任を問われる」という見方を示している。
また同社は「マスク氏の買収オファーを信用していなかった」と説明した。
マスク氏は今年4月、同社を440億ドルで買収すると発表した。
しかし、マスク氏は7月、ツイッター社がbotやスパムアカウントの情報を開示せずに、「botやスパム数は全ユーザーの5%未満」と報告したことに腹を立てた。
マスク氏は5月時点で買収に興味が亡くなったと主張していたが、ツイッター社は取引から手を引くことはできないと反論している。同社はボット数を5%未満と説明しているものの、マスク氏はその数倍にのぼる可能性があると指摘した。
ツイッター社はマスク氏の「エアオファー」に反撃し、裁判に打って出たのである。
しかし、マスク氏は今週、この問題について考えを改め、買収手続きを進めると表明。裁判を保留するようデラウェア州裁判所に求めた。
マスク氏の弁護士は「法廷闘争の終結を待って、当初の買収計画を進める用意がある」と表明。訴訟はもはや必要ないとした。
弁護士は書簡の中で、「マスク氏は買収を提案しているため裁判は必要ないが、ツイッター社は法廷闘争を望んでいる」と述べている。「ツイッターはイエスとは言わないでしょう。彼らは驚くべきことに、訴訟を進めると主張し、取引を危険にさらし、株主の損失を取り戻そうとしているのです...」
米主要メディアはツイッター社が提出した書簡を引用し、「わが社は訴訟の取り下げに反対する。取り下げはさらなるイタズラと遅延を引き起こす可能性がある」と報じた。
またツイッター社は、買収の資金調達を支援したある銀行が今週、「マスク氏からは何の連絡も入っていない」と証言したことに言及し、「マスク氏の約束を信用していない」と説明した。
ツイッター社は今すぐ取引を開始するのであれば訴えを取り下げると示唆している。「来週にも取引を完了させることができます。そうすべきです。マスク氏が取引を確約しない限り、わが社は訴える権利を留保します」
マスク氏は4月に一株当たり54.20ドルでツイッター社を買収すると発表した。しかし、一連のすったもんだの後、ツイッター社の株価は急落し、株主は大きな損失を被った。
ツイッター社は訴状の中で、「テスラ社を含むハイテク企業の株価が急落したことで、マスク氏は買収価格に懸念を抱いている」と主張している。
初公判は10月17日の予定だったが、報道によると10月28日に延期されたようだ。マスク氏は今週、裁判の事前審理に臨む予定だった。
ツイッターの株価は4日の買収再提案で20%以上急騰したものの、多くの投資が買収成立に疑問を抱き、再び売りが先行。6日の終値は50ドルを下回った。