◎リビアの砂漠地帯では亡命を求める人々の事故が相次いでいる。
リビア当局は13日、スーダン国境近くの砂漠で亡命希望者とみられる15人の遺体を発見したと発表した。
南東部クフラの救助隊によると、遺体のすぐ近くには故障した車が止まっていたという。現場で対応に当たった国境警備局はフェイスブックに、「車の燃料タンクは空だった」と投稿している。
同局は遺体のすぐ近くにいた9人を保護したと説明しているが、詳細は明らかにしていない。
また同局は生存者の話を引用し、「2人が行方不明」と報告している。
死因は明らかにされていないが、生存者は水と食料が切れたと救助隊に話したという。
AFP通信は当局者の話を引用し、「移民は全員スーダン人」と報じた。スーダンでは軍事政権に反対するデモが続いており、食料不足・自然災害・テロが混乱に拍車をかけている。
死亡した15人を含む24人は西欧を目指してリビア西部の砂漠に入ったとみられる。
リビアの砂漠地帯では亡命を求める人々の事故が相次いでいる。
今年6月にはチャド国境付近で故障したトラックと20人の遺体が発見された。国境付近の夏場の最高気温は40度を超え、雨はほとんど降らない。
リビアは2011年の革命でカダフィ(Moamer Kadhafi)大佐を倒し内戦に突入。無法地帯となり、チャド、ニジェール、スーダンや中東の紛争地から逃れた移民が押し寄せ、人身売買組織に利用されるようになった。
リビア北部で活動する人身売買組織は混乱を利用して利益を得ているものとみられる。
亡命を希望する人々の家族は人身売買組織に数千ドルを支払う。組織は希望者をリビア北部の港に運び、頼りないゴムボートに乗せ、危険な航海に出発させる。
今年、地中海で死亡した移民は数千人と推定されているが、正確な数は不明。