◎新憲法の是非を問う国民投票は7月25日に行われる予定。
チュニジアの首都チュニスで22日、新憲法とサイード(Kais Saied)大統領の独裁に反対する抗議デモが行われ、数百人が参加した。
現地メディアによると、警察はデモ隊に放水砲を浴びせ、バリケードを突破しようとした一部の抗議者に唐辛子スプレーを吹きかけたという。
AFP通信は警察筋の話を引用し、「少なくとも10人が逮捕された」と報じている。
新憲法の是非を問う国民投票は7月25日に行われる予定だ。
サイード氏は昨年7月25日に当時の首相を解任したうえで議会を閉鎖し、権力を独占した。
野党と活動家はサイード氏の強硬措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。議会は今年3月に解体された。議会選は12月に行われる予定。
デモに参加したイスラム政党「アンナハダ(Ennahda)」の関係者はAFP通信の取材に対し、「サイードの独裁を確立する国民投票を阻止しなければならない」と訴えた。「私は昨年のクーデターに立ち会いました。サイードの目的は汚職撲滅ではなく、チュニジアを支配することです...」
野党と活動家は新憲法がサイード氏の権力を強化し、軍事政権時代に逆戻りすると警告している。
現憲法は労働組合UGTT(チュニジア一般労働組合)を含む全国の団体と政府の協議を経て、2014年に成立した。
これは2011年のジャスミン革命で追放された独裁者ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)の23年間の専制政治を正す内容になっている。
6月末に公表された憲法草案は、首相の権限を縮小し、大統領により大きな行政権を与え、一院制から二院制に変更するなどとしている。