◎パキスタンは世界最大の紅茶輸入国であり、昨年は6億ドル相当の紅茶を輸入した。
パキスタン、お茶を注ぐ男性(Getty Images)

パキスタン政府は14日、国民に紅茶の消費量を減らすよう促した

「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」のイクバル議員は声明で、「皆が1日に飲むお茶の量を減らせば、輸入量を減らすことができる」と述べた。

地元メディアによると、同国の外貨準備は底をつきかけている。2月の外貨準備高は約160億ドルだったが、6月第1週時点で100億ドルを下回り、2カ月分の輸入品をカバーするのがやっとの状態である。

パキスタンは世界最大の紅茶輸入国であり、昨年は6億ドル相当の紅茶を輸入した。

地元メディアによると、イクバル氏は国民に紅茶の消費量を1日1~2杯減らすよう訴えたという。

またイクバル氏は全国の小売店や屋台に節電を呼びかけ、遅くとも20時30分までには店を閉めてほしいと呼びかけた。

外貨準備の減少は国債の利払いにも影響を与える可能性があるため、政府は国際金融機関に緊急融資を求めている。

紅茶を愛飲するパキスタン人はこの要請に困惑し、多くのSNSユーザーが懸念を表明した。あるツイッターユーザーは、「食前食後の楽しみを奪わないでください」と懇願した。「寝起きの一杯、朝食前後の一杯、昼食...」

一部の専門家も「紅茶の削減よりやるべきことがある」と指摘している。

4月に就任したばかりのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相は先月、外貨保護の一環として、数十のぜいたく品の輸入を制限した。

シャリフ政権は前任者のカーン(Imran Khan)氏がもたらした経済危機の対応に追われている。シャリフ氏は就任直前、カーン政権の経済政策を非難し、「経済の立て直しは新政府の大きな課題、大きな挑戦になる」と述べていた。

シャリフ氏は国際通貨基金(IMF)に60億ドルの緊急融資を求めている。

パキスタンの茶屋(Getty Images/AFP通信)
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