◎ジョンソン政権は2020年と2021年のコロナ制限期間中にパーティーを開催し、有権者と野党を怒らせた。
2020年/イギリス、ロンドンの醸造所、ジョンソン首相(右)とスナック財務相(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

イギリスのメディアは22日、コロナウイルス制限期間中に行われた政府主催のパーティーに関する報告書がまもなく公表されると報じた。

この珍騒動はジョンソン(Boris Johnson)首相の政治人生を左右する可能性がある。イギリスのメディアはこのスキャンダルを米国のウォーターゲート事件をもじってパーティーゲート事件と呼んでいる。

BBCニュースなどによると、政府高官のグレイ(Sue Gray)氏が主導した調査報告書の完全版は数日以内に公表される見込みだという。

ジョンソン氏と首相官邸スタッフは2020年と2021年の厳しいコロナ制限期間中に複数の違法オフィスパーティーを主催し、ワインなどを飲んだと伝えられている。野党労働党と与党保守党の一部議員はジョンソン氏に引退を勧告している。

しかし、パーティーゲート事件の注目度はロシアのウクライナ侵攻で低下し、ジョンソン氏も西側の対ロシア制裁に積極的に関与することでうまく興をそいだ。

グレイ氏の報告書がジョンソン氏と高官を厳しく批判するものであれば、ジョンソン氏への圧力は再び強まる可能性がある。

ジョンソン氏は2020年6月のサプライズ誕生日パーティーに出席したことで50ポンド(約8000円)の罰金を科され、謝罪した。ジョンソン氏は在職中に法律違反で罰金を科された初の英首相となった。

しかし、ジョンソン氏は約10分の「短い集まり」がパーティーであるとは「思いもよらなかった」と議会で主張し、野党から罵声を浴びた。

ロンドン警視庁は先週、事件の捜査を終えたと発表し、83人に計126件の罰金を科したと明らかにした。

警察は罰金を科したと個人を明らかにしていないが、スナック(Rishi Sunak)財務相とジョンソン氏の妻キャリー(Carrie Johnson)氏は罰金を払ったと認めている。

BBCによると、グレイ氏は報告書の完全版について、「警視庁の捜査が完了次第、できるだけ早く公表する」と述べていた。グレイ氏は今年1月、報告書の一部を公表している。

この報告書は注目を集めているが、公務員の問責権限は限られており、その公表がジョンソン政権に対する国民の不信感を払しょくできるかどうかは分からない。

一方、イギリスのメディアは先週、「ジョンソン氏とグレイ氏が数週間前に会っていた」と報じ、新たな疑惑が生じた。2人が何を話したかは不明である。

ザハウィ(Nadhim Zahawi)教育相は22日に放送されたBBCのインタビューの中でジョンソン氏を擁護した。「首相は調査に介入していません」

しかし、野党労働党はジョンソン氏とグレイ氏の「秘密会談」に異議を唱えている。

労働党のレイナー(Angela Rayner)副党首は、「この調査に対する国民の信頼はすでに失われており、国民は真実を知る資格がある」と述べ、保守党を批判した。

ジョンソン氏は議会で嘘をついたという別の調査にも直面している。

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