◎投票は首都モガデッシュの要塞化された軍事キャンプ内で行われている。
2022年5月15日/ソマリア、首都モガディシュの政府庁舎近く、周囲を警戒する治安部隊(Feisal Omar/ロイター通信)

ソマリア議会は15日、長く延期されていた大統領選を行い、36人の候補に投票した。

現地メディアによると、結果は16日中に判明する見込みだという。

ソマリアの選挙システムは複雑で、3万人近い氏族代表が下院議員を選び、上院議員は州議会の投票で選出される。その後、上下両院の議員328人が新大統領を選出する。

投票は首都モガディシュの要塞化された軍事キャンプ内で行われている。

モガディシュでは外出禁止令が発令されており、市内には武装兵が配備され、イスラム過激派組織アル・シャバブを含むジハード組織への警戒が高まっている。

報道によると、大統領候補36人のち4人が第2回投票に進んだという。

第1回投票の集計中、ジハード組織の迫撃砲がモガディシュの空港近くに着弾したと報告された。死傷者の有無は明らかにされていない。

ソマリアは世界で最も危険な国のひとつであり、アフリカ連合・EU・米国連合軍はアルカイダ、アル・シャバブ、アルヒジュラ、ムジャヒディン、イスラム国(ISIS)、ソマリアのイスラム国などのジハード組織と対峙している。

ジハード組織はソマリアの大部分を支配し続け、モガディシュやその他の町・村で自爆テロを繰り返している。泥沼化した内戦が終結する目途は全く立っていない。

国連によると、国内の市民推定350万人が深刻な飢餓に直面しているとされる。

現職のモハメド・アブドラヒ・モハメド・ファルマージョ(Mohamed Abdullahi Mohamed Farmajo)大統領は第2回投票に進んだが、再選は厳しいと予想されている。

ファルマージョ大統領の任期は昨年2月に満了したものの、議会選が遅れた影響で1年以上留任し、多くの批判を集めた。

ソマリアで間接大統領選が行われるのは今回で3回目。以前は隣国ケニアとジブチで行われていた。直接選挙はこの50年行われていない。

議員らはモガディシュの空港内にある警備厳重な軍事キャンプの格納庫に集まっている。ここはアフリカ連合(AU)ソマリアミッションの主要軍事基地で、外交団や国際機関の拠点が置かれている。

報道によると、第1回投票はセキュリティチェックの都合で数時間遅れたという。

第2回投票で勝利に必要な184票を獲得する候補が出なかった場合は、第3回に移行する。

過去の選挙では、候補者が議員に金銭を提供し支持を得たという疑惑が浮上した。唯一の女性候補は第1回投票で落選している。

ソマリア政府は国際通貨基金(IMF)の援助プログラム4億ドルを確保するために、今月中に大統領を選出しなければならない。

モガディシュの空港近くで11日に発生した自爆テロでは少なくとも4人が死亡、数人が負傷した。13日には中部ガルムドゥグ州でジハード組織と政府軍の銃撃戦が発生したと伝えられている。

2021年5月1日/ソマリア、首都モガディシュの議会、モハメド・アブドラヒ・モハメド・ファルマージョ大統領(FarahAbdi Warsameh/AP通信
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