◎世界のマラリア患者の約90%はアフリカで報告され、毎年20万人以上の児童が亡くなっている。
2017年6月9日/ケニアの医療機関、ワクチンを接種する児童(Getty Images/AFP通信)

世界保健機関(WHO)は20日、ケニア、ガーナ、マラウィの児童100万人以上に1回目のマラリアワクチンを接種したと明らかにした。

WHOによると、2019年4月に始まったマラリアワクチン接種プラグラムにより、アフリカのマラリア感染における重症化リスクは大幅に減少したという。

WHOは昨年、世界初のマラリアワクチン「RTS,S」を承認した。

RTS,Sはサハラ以南のリスクの高い地域で接種を進めれば、年間4万~8万人の児童の命を救う可能性があると考えられている。

WHOによると、RTS,Sは蚊が媒介する世界で最も致死率が高く、アフリカで最も流行している「ファルシパラム原虫(寄生虫の一種)」に対して効果を発揮する。

世界のマラリア患者の約90%はアフリカで報告され、毎年20万人以上の児童が亡くなっている。

マラリアは蚊に刺されることで感染し、治療が遅れると命にかかわることもある。

RTS,Sの有効性は約30%、接種回数は4回。接種から数か月経過すると保護が弱まる。世界五大医学雑誌のひとつであるランセットが2015年に公表した研究データによると、RTS,Sは感染を40%、重症化を30%予防し、輸血を必要とする重症患者を3分の1に減らしたという。

GaviワクチンアライアンスはRTS,Sを展開するために1億5000万ドル以上を拠出している。

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