◎人口約550万人のフィンランドはロシアと1,340kmの国境線を共有している。
フィンランド政府は議会に安全保障報告書を、スウェーデンの与党社会民主党は安全保障政策の見直しを開始したため、両国のNATO加盟に向けた取り組みは一気に動き出した。
人口約550万人のフィンランドはロシアと1,340kmの国境線を共有している。一方、スウェーデンはロシアと国境を接していない。
2月24日の侵攻開始以来、両国ではNATO加盟を支持する声が急速に高まっており、最新の世論調査によると、フィンランドでは回答者の60%、スウェーデンでは50%が加盟に賛成した。
ロシアは「スウェーデンとフィンランドのNATO加盟は地域の安定に貢献しない」と警告している。
フィンランドのマリン首相は13日、ストックホルムでアンデション首相と共同記者会見し、フィンランド政府は数週間以内にNATO加盟申請に関する決定を下すとの見方を示した。
またマリン氏は、経済的、政治的、軍事的に密接な関係にあるスウェーデンがNATOに加盟するか否かにかかわらず、フィンランドは安全保障政策に関しては独自の決定を下すと強調した。
しかし、フィンランドの決定がスウェーデンに影響を与えることを念頭に置き、両国のNATO加盟を希望すると表明した。「私たちの選択は、私たちだけでなく、近隣諸国にも影響を与えることを理解しており、フィンランドとスウェーデンの両方がNATOに加盟することを希望しています...」
アンデション首相は、「スウェーデンとフィンランドはNATO加盟の可能性について、今後数週間のうちに率直に議論する」と述べた。
マリン首相とアンデション首相は共に社会民主党を率いている。両党はそれぞれ5月上旬と下旬にNATO加盟の見解を発表する予定である。
スウェーデンは9月に総選挙を控えており、NATO問題が争点となる可能性が高い。
フィンランドのニーニスト大統領は13日、「私たちはスペインで6月末に開催されるNATO首脳会議までにNATOに関する決定を下していると確信している」と述べた。
フィンランド政府は安全保障環境の変化に関する報告書を13日に公表した。議会はイースター休暇明けに議論を開始する予定である。
この報告書はフィンランドがNATOに加盟する可能性について、供給面での脅威、経済効果、サイバーセキュリティなどに焦点を当てている。
フィンランド外相は報告書を発表する際、記者団に、「ロシアが始めた戦争は欧州全体を危険にさらす」と述べた。「ロシアのウクライナ侵攻はフィンランドの安全保障環境に長期的な影響を与えるでしょう」
アンデション首相は記者会見の中で、スウェーデン政府は議会と協力して安全保障環境分析に取り組んでいると述べた。報告書の提出期限は5月31日だが、それ以前に完成する可能性もあるという。