◎移民と一緒に捕まったバスの運転手2人は見つかっておらず、逮捕者も出ていない。
メキシコ南部、米国への亡命を希望する中南米の移民(Getty Images)

メキシコ軍は18日、今週初めに北部ヌエボレオン州で誘拐された移民49人を保護したと明らかにした。

州警察によると、移民約50人を乗せたバスは16日に南部チアパス州から米国の国境に向かう途中、ギャングの攻撃を受けた。

国防省の報道官は声明で、「陸軍兵士と警察官約650人を動員した結果、これまでに子供11人を含む移民49人を発見・保護した」と述べている。

それによると、移民と一緒に捕まったバスの運転手2人は見つかっておらず、逮捕者も出ていないという。

州警察は17日の声明で「誘拐された男性6人と女性3人を保護した」と報告していた。この9人が解放されたのか、それとも逃亡したのかは明らかになっていない。

国防省の報道官は保護された男性の証言を引用し、「バスは北部のガソリンスタンドで給油中に麻薬カルテルの襲撃を受けたようだ」と説明した。

報道官は組織名には言及しなかったが、北部地域では「ロス・セタス」や「湾岸カルテル」など、複数のカルテルやギャングが活動している。

報道官によると、保護された49人の内訳はホンジュラス人が19人、ハイチ人14人、ベネズエラ人7人、エルサルバドル人6人、ブラジル人2人、キューバ人1人。

地元メディアによると、バスを運行する会社は1人当たり1500ドルの身代金を要求されたという。

メキシコでは移民の誘拐事件が多発している。

政府は今月初めに公表したレポートの中で、昨年麻薬カルテルやギャングに誘拐された移民が2000人を超えたと報告していた。

麻薬カルテルやギャングは実行支配する地域に検問所を設置し、対立組織の構成員だけでなく、麻薬とは無縁の一般市民や移民も誘拐し、身代金を要求することがある。

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