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キプロス議会選挙、極右政党と新興勢力が躍進

開票結果によると、中道右派の民主運動党(DISY)が約27%の得票率で第1党を維持、共産系の労働者進歩党(AKEL)が約24%で続いた。
キプロスの海岸(Getty Images)

地中海の島国キプロスで24日に実施された議会選挙(一院制、定数56)で、極右政党や新興勢力が大きく議席を伸ばし、同国政治の地殻変動を印象づける結果となった。選挙では56議席が争われ、生活費の高騰や政治腐敗への不満が有権者の主要な関心事となった。

開票結果によると、中道右派の民主運動党(DISY)が約27%の得票率で第1党を維持、共産系の労働者進歩党(AKEL)が約24%で続いた。一方、極右政党ELAMは約11%を獲得し、2021選挙の6.8%から大幅に支持を拡大した。ELAMはギリシャの極右組織「ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)」にルーツを持つ政党で、反移民政策や対トルコ強硬路線を掲げている。今回の結果により、同党は議会第3勢力に浮上した。

さらに、既成政治への不信感を背景に、新興政党の躍進も目立った。反腐敗を掲げる新党ALMAは約6%を得票し、初の議会進出を果たした。また、地元の著名なユーチューバーが設立したDirect Democracy(直接民主主義の意)も約5%を獲得し、SNSを基盤とした新しい政治勢力の存在感を示した。

一方で、フリストドゥリディス(Nikos Christodoulides)大統領を支える中道政党は苦戦した。民主党(DIKO)や民主戦線(DIPA)、社会民主運動(EDEK)などは得票を減らし、EDEKとDIPAは議席獲得に必要な得票率を下回った。大統領陣営の弱体化は2028年の大統領選を見据えた政局運営に影響を及ぼす可能性がある。

今回の選挙では記録的な数の候補者が立候補し、議会の細分化が進むとの見方が出ていた。背景には、過去の「ゴールデンパスポート」問題に象徴される汚職疑惑や、エネルギー価格上昇による生活苦への不満がある。専門家の間では、伝統的な二大勢力の支持低下と、有権者の政治不信が極右や新興勢力の支持拡大につながったとの分析が広がっている。

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