コンテンプト・オブ・コート 1-26
法廷の扉が開いた。
マリベル・ヴァレンタイン判事が入廷した。
傍聴席の人間が立ち上がる。
ローリーとトーマスも立った。
マリベルは法廷を見渡した。
「着席してください」
全員が席に戻る。
マリベルは正面の被告席を見た。
被告の妻が座っている。
弁護士が隣にいる。
マリベルは手元の書類を確認した。
法廷内は静まり返っていた。
「被告人」
女が顔を上げる。
「あなたに対する殺人の訴えについて、判決を言い渡します」
女は動かなかった。
マリベルは判決文を読み上げた。
「被告人を無罪とします」
傍聴席に小さなざわめきが起きた。
女の弁護士が息を吐く。
女は目を閉じた。
ローリーは黙って法廷を見ていた。
トーマスが娘を見る。
ローリーは何も言わない。
マリベルは続けた。
「以上です」
木槌が鳴った。
「閉廷します」
マリベルが立ち上がる。
法廷内の人間が再び立ち上がった。
ローリーはマリベルの後ろ姿を見ていた。
