コンテンプト・オブ・コート 1-25
法廷の扉が開いた。
エルマ・アトキンソンが入廷した。
州検事だった。
手には書類の入ったファイルを持っている。
エルマは周囲を見回すことなく、法廷前方へ向かった。
ローリーの視線がエルマを追った。
ほんの一瞬だった。
トーマスが娘を見る。
「エルマが嫌いか?」
ローリーは答えなかった。
前を向いたまま、動かない。
「ローリー」
「……」
トーマスはそれ以上聞かなかった。
少し離れた傍聴席では、マイクが二人を見ていた。
エルマは検察側の席に座り、書類を机の上に並べた。
法廷内の会話が次第に止まっていく。
傍聴席も静かになった。
ローリーは前を向いていた。
エルマは一度だけ後ろを振り返った。
ローリーと目が合う。
エルマは何も言わなかった。
ローリーも何も言わなかった。
そのとき、法廷の扉が再び開いた。
