米カリフォルニア州化学物質タンク異常、非常事態続く
問題のタンクは航空機部品メーカー「GKNエアロスペース」の施設内にあり、約6000〜7000ガロンの「メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)」を保管している。
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米カリフォルニア州南部オレンジ郡で化学物質を貯蔵したタンクの損傷による危険な状況が続いている。地元当局は爆発や有毒物質流出の可能性を警戒し、周辺住民約5万人に避難命令を出したまま、緊急対応を続けている。
問題のタンクは航空機部品メーカー「GKNエアロスペース」の施設内にあり、約6000〜7000ガロンの「メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)」を保管している。メチルメタクリレートはプラスチックや樹脂の製造に使われる可燃性化学物質で、吸い込むと呼吸器への刺激やめまいを引き起こす危険がある。連邦当局も厳しく規制している物質で、流出すれば健康被害につながる可能性がある。
異常が確認されたのは5月22日、タンク内部の温度上昇が止まらず、圧力が高まり続けた。さらに排出バルブが故障していたため、安全に内部の化学物質を抜き取ることができず、消防当局は最悪の場合、タンクが破裂して周辺の別のタンクにも引火し連鎖爆発が起きる可能性があると警告した。対応に当たる消防隊はタンクを85度以下に保つため放水を続け、ドローンで温度を監視している。
一方、現地メディアによると、24日にはタンク側面に亀裂のような損傷が見つかり、内部圧力を逃がしている可能性があることが判明した。当局はこの亀裂によって大爆発の危険性が低下する可能性があるとみる一方、化学反応そのものは続いており、依然として予断を許さない状況だとしている。消防当局は必要に応じて化学物質を少量ずつ制御放出する計画も検討している。
カリフォルニア州のニューサム(Gavin Newsom)知事は非常事態を宣言し、州および連邦レベルの専門家を現地に派遣した。環境保護局(EPA)の長官も、「タンクはいずれ破損する」と述べ、事態の深刻さを強調した。現時点では有毒ガスや大気汚染物質は検出されておらず、負傷者も報告されていないが、当局は化学物質が河川や下水道へ流出する事態にも備えている。
避難区域は広範囲に及ぶものの、観光地ディズニーランドは危険区域外にあり、通常営業を続けている。だが、住民の不安は強く、一部住民は健康被害や不動産価値の下落を理由に企業側への集団訴訟を準備している。専門家は今回の事故が2023年のオハイオ州イーストパレスティーン列車脱線事故を想起させると指摘しており、化学物質管理のあり方が改めて問われている。
