ハイチ総選挙、首都ポルトープランスで有権者登録始まる、課題山積
ハイチでは2021年7月にモイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以降、政治空白と治安悪化が続いている。
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カリブ海の島国ハイチで30日、12月に予定される総選挙に向けた有権者登録が首都ポルトープランスなどで始まった。10年以上実施されていない国政選挙に向けた重要な一歩となる一方、首都の大半を武装ギャングが支配する現状では、投票を安全に実施できるか疑問が残る。
暫定選挙委員会(CEP)は比較的治安が安定している地区を中心にポルトープランスで10カ所登録センターを開設し、市民の受け付けを開始した。今後数週間で別の地区にもセンターを設ける計画だ。しかし、治安が安定しない地域への拡大は政府による治安確保が前提になるとしており、開設時期は不透明なままである。
ハイチでは2021年7月にモイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以降、政治空白と治安悪化が続いている。ポルトープランスでは武装ギャングが勢力を拡大し、全体の70%を支配しているとされる。さらに、中部アルティボニット県などへ向かう主要幹線道路もギャングの支配下にある。地元メディアによると、ポルトープランスとアルティボニット県には全国有権者の半数以上が居住している。このため、多くの市民が登録会場にたどり着けない可能性が指摘されている。
国際危機グループ(ICG)はハイチの現状について、「3カ月後に選挙を実施すること自体は可能かもしれないが、どのような選挙になるのかが問題だ」と指摘する。現状のまま12月13日に第1回投票を実施すれば、ギャング支配地域の住民の多くが選挙から排除される恐れがある。また、警察や国連支援の治安部隊が大統領府周辺など一部地域を奪還したものの、武装ギャングの支配地域は依然として広範囲に及び、「選挙を行える状況ではない」との見方を示している。
市民の反応も分かれている。AP通信の取材に応じた34歳の男性は「今回初めて投票する機会になるかもしれない。国をより良い方向へ導く指導者が必要だ」と期待を寄せた。一方、弁護士の男性は「治安が回復しない限り選挙は実現しない」と悲観的な見方を示し、登録には行かない考えを明らかにした。
国連によると、ハイチでは昨年だけで5900人以上がギャング関連の暴力で死亡し、今年1~3月にも1600人を超える犠牲者が出た。国内避難民は140万人を超え、性暴力も深刻化している。
暫定政権は民主的統治の回復に向けて選挙実施を最優先課題に掲げるが、治安改善なくして自由で公正な投票は困難との見方が根強い。長年停滞してきた民主化への挑戦は、武装ギャングの脅威という大きな壁に直面している。
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