南米の消火活動に1億ドル基金創設へ、森林林火災深刻化も世界の資金不足続く
基金は非営利団体のルネサンス・フィランソロピーとコンサベーションXラボが主導する。
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南米の森林火災対策を支援する新たな基金が創設される。ニューヨーク気候週間と国連総会に合わせて発表された基金は、南米での消火活動や火災の早期発見体制の強化を目的とし、最終的に1億ドルの資金調達を目指す。一方、アマゾン全体では保全に必要な資金が大幅に不足しており、火災の拡大に対して国際的な支援が追いついていない。
基金は非営利団体のルネサンス・フィランソロピーとコンサベーションXラボが主導する。ゴードン・アンド・ベティ・ムーア財団が3000万ドル、デビッド・アンド・ルシール・パッカード財団が500万ドルを拠出する。南米では2024年にアマゾン、パンタナルなどで深刻な火災が発生しており、基金は先住民による消防隊やブラジルの火災検知カメラ網など、既存の取り組みを参考に対策を強化する。
基金創設の一方で、対象地域が南米に限定されていることも課題となっている。アフリカのコンゴ盆地や東南アジアの森林地域は今回の基金の対象外だが、インドネシアなどでも今年、大規模な森林火災が発生し、有害な煙が周辺国に広がっている。専門家からは、森林火災は特定地域だけの問題ではなく、国際的な支援が必要だとの指摘が出ている。
国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワークが公表した報告書によると、熱帯林の保全・回復と持続可能な農林業の整備には、2030年までに追加で668億ドルが必要になる。2023年時点の資金は146億ドルにとどまり、必要額との間には大きな開きがある。世界の熱帯雨林の約8割はアマゾン盆地、コンゴ盆地、東南アジアのボルネオ島などに集中している。
背景には気温上昇や干ばつの悪化がある。森林火災で木々が焼失すれば温室効果ガスの排出が増え、さらに気温上昇を促して森林を燃えやすくする循環が生じる。米メリーランド大学の研究では、森林火災によって毎年焼失する樹木の被覆面積は20年前の2倍以上、熱帯林では3倍以上に増えたとされる。
今回の基金は南米の火災対策を強化する新たな資金源となるが、世界規模の森林保全に必要な資金との差はなお大きい。国際的な資金配分の偏りや各国の短期的な政策サイクルも課題となっており、森林火災の拡大に対して資金をどう確保するかが焦点となる。
