ハイチ、2026年12月に総選挙実施へ、10年ぶり、ギャング暴力続く中
ハイチでは2016年を最後に国政選挙が実施されておらず、政治空白が長期化している。
.jpg)
カリブ海の島国ハイチの暫定選挙委員会(CEP)は27日、約10年ぶりとなる大統領選挙と議会選挙の第1回投票を12月13日に実施すると発表した。大統領選の決選投票は2027年2月21日に行い、最終結果は同年3月7日に公表する予定である。あわせて憲法改正の是非を問う国民投票や地方選挙も実施する計画だ。
ハイチでは2016年を最後に国政選挙が実施されておらず、政治空白が長期化している。当初は2026年8月に第1回投票を予定していたが、武装ギャングによる治安悪化を理由に延期されていた。今回、新たな日程が示されたことで民主的な政治体制の再建に向けた一歩と受け止められているが、選挙の実施そのものを疑問視する見方も根強い。
同国では2021年7月にモイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以来、混乱が続いている。現在は暫定政権による統治が続く一方、首都ポルトープランスを中心に武装ギャングが勢力を拡大した。
ギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」は首都の7~8割を支配し、住民に対する殺人や誘拐、略奪を繰り返している。治安の悪化によって数百万人が人道支援を必要とし、国内避難民も人口の12%に達した。
CEPは有権者登録や選挙要員の訓練、治安確保に向けた準備をすでに開始していると説明した。ただし、選挙日程は資金の確保と安全な投票環境の整備が前提条件で、情勢次第では再び延期される可能性も否定していない。
専門家の間では、現在の治安状況で全国規模の選挙を円滑に実施することは極めて困難との見方が広がっている。ギャングが支配する地域では投票所の設置や選挙資材の輸送、有権者の安全確保など多くの課題があるためだ。国連はケニア主導の多国籍治安部隊の派遣などを通じて治安回復を支援しているものの、暴力の拡大が続いている。
約10年ぶりとなる選挙は、民主的統治を回復する重要な節目となる可能性を持つ一方、深刻な治安危機を克服できなければ実施は難しい。ハイチが政治的安定への道筋を描けるかどうかは治安改善と国際社会による支援の成否に大きく左右される見通しである。
