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キューバ経済危機、燃料不足で名物の「クラシックカー」が姿消す

キューバでは長年にわたり、1940~50年代の米国車が独自の改造を施されながら走り続けてきた。
キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

キューバを象徴する1950年代の米国製クラシックカーが、深刻化する燃料不足によって路上から姿を消している。観光客向けの名物として知られるだけでなく、市民の日常的な移動手段としても重要な役割を担ってきたクラシックカーはガソリンを確保できず車庫に留め置かれる状況が続いている。キューバ政府は米国によるエネルギー封鎖化が燃料危機の主因だと非難してきた。

首都ハバナの自動車工場を営む男性は1951年式シボレーの修理作業を続けている。しかし、車は走行可能な状態であっても、燃料を入手できないため運転できない。多くの運転手が政府の燃料配給予約システムに登録しているが、順番が回ってくるまで数週間から数か月待たされるケースも少なくない。必要に迫られた人々は、より高額な闇市場の燃料に頼らざるを得ない状況に追い込まれている。

キューバでは長年にわたり、1950~60年代の米国車が独自の改造を施されながら走り続けてきた。こうした車両は「アルメンドロン」と呼ばれ、公共交通機関の不足を補う相乗りタクシーとしても機能している。ところが今年に入り燃料供給が急減したことで、多くの車両が営業停止に追い込まれた。トランプ政権がキューバに石油を供給している国に圧力をかけた結果、従来の供給ルートが細り、ロシアからの限定的な輸送に頼る状態となっている。

燃料不足の影響は交通分野にとどまらない。各地で長時間の停電が常態化し、一部地域では1日20時間以上電気が使えない日もある。ごみ収集車の運行停止による衛生環境の悪化や、農産物輸送の停滞による食料供給への影響も深刻化している。市民生活はかつてないほど厳しい状況に直面しており、1990年代の経済危機を想起させるとの声も聞かれる。

一方で、危機への対応として電動三輪車や中国製電動バイクの利用が拡大している。太陽光発電設備の導入も進むが、島全体の輸送需要を補うには程遠い。クラシックカーは単なる観光資源ではなく、キューバ社会の創意工夫と忍耐を象徴する存在でもある。燃料危機によってその姿が消えつつある現状は、同国が直面する経済的・社会的困難を象徴する光景となっている。

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