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キューバ経済危機、燃料不足で「ごみ収集」できず、首都がごみだらけに

ハバナ市内では道路脇や住宅街の空き地に大量のゴミ袋や廃棄物が放置され、場所によっては数メートルの高さに達するゴミの山も見られる。
2026年6月1日/キューバ、首都ハバナ、ゴミが散乱する通り(AP通信)

キューバの首都ハバナで「ごみ問題」が深刻化している。慢性的な燃料不足によってごみ収集車の運行が大幅に制限され、市内各地で回収されない廃棄物が積み上がっている。異臭や害虫の発生に住民の不満が高まる中、共産党は対応に追われているものの、経済危機の長期化によって解決の見通しは立っていない。

ハバナ市内では道路脇や住宅街の空き地に大量のごみ袋や廃棄物が放置され、場所によっては数メートルの高さに達するごみの山も見られる。強い日差しと高温多湿な気候の中で腐敗が進み、悪臭が漂っている。住民の中には、自宅近くに積み上がったごみを避けるために遠回りを余儀なくされる人もいる。衛生環境の悪化による感染症の拡大を懸念する声も強まっている。

市当局によると、危機の最大の要因は燃料不足だ。キューバでは米国の制裁により、原油や石油製品の輸入が激減している。主要な供給国であるベネズエラの取引停止に加え、米国の経済制裁も重なり、国内の燃料供給が慢性的に不足している状態だ。その結果、ごみ収集車の稼働率が低下し、多くの地域で定期的な回収ができなくなった。

さらに問題を深刻化させているのが、老朽化した収集車両や設備不足である。市の清掃部門では必要な車両数を確保できず、修理部品の不足も続いている。燃料が確保できたとしても、十分な収集体制を整えることは容易ではない。政府は軍や他機関の車両を一時的に動員するなど対策を講じているが、増え続ける廃棄物の処理に追いついていない。

キューバ経済は近年、観光収入の減少や外貨不足、インフレの進行によって大打撃を受けている。食料や医薬品の不足に加え、停電が常態化し、市民生活は厳しさを増している。今回のごみ問題はこうした経済危機が公共サービス全体に波及していることを象徴する事例とみられている。

専門家はごみ収集の停滞が長期化すれば、公衆衛生上のリスクだけでなく観光業への悪影響も避けられないと指摘する。ハバナ旧市街は世界遺産として多くの観光客を集めるが、ごみの山が街の景観を損ない、国際的なイメージ低下につながる恐れがある。

政府は燃料供給の改善や収集体制の強化を進める方針を示しているものの、根本的な解決には経済状況の改善が不可欠とみられる。首都を覆うごみの山は、キューバが直面する複合的な危機の深刻さを浮き彫りにしている。

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