生活費高騰がブラジル大統領選の焦点に、ルラ氏、経済改善の訴えに課題
9月の世論調査では、過去1年間に「経済状況が悪化した」と答えた人が「改善した」と答えた人を大きく上回った。
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ブラジルで食品など生活必需品の価格高騰が家計を圧迫し、10月の大統領選を前に主要な争点となっている。ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が再選を目指す中、雇用やインフレなど一部の経済指標が改善する一方で、国民の生活実感との間に隔たりが生じている。
最大都市サンパウロの精肉店で働く39歳の男性はロイター通信の取材に対し、長期間にわたる食品価格の上昇によって客足が減少したと語った。同国では食品インフレが最近になって鈍化し、6月から8月には価格が下落する動きもみられたが、コロナ禍以降の累積的な値上がりによって、物価水準は依然として以前より高い状態にある。
家計を圧迫しているのは物価だけではない。中央銀行のデータによると、住宅ローンを除く家計の債務返済負担は6月に所得の26.6%まで上昇し、過去最高となった。高金利に加え、フィンテック企業による高金利融資やオンライン賭博の拡大も、家計の可処分所得を圧迫する要因となっている。
ルラ氏は失業率が歴史的な低水準にあることや格差が縮小していること、最近のインフレ率が落ち着いていることを挙げ、経済状況の改善を訴えている。政府は低所得層向け給付制度の支給額を15%引き上げる措置も打ち出しており、10月後半の決選投票前に家計の可処分所得を増やす狙いがある。
一方、対立候補のフラビオ・ボルソナロ(Flávio Bolsonaro)上院議員は、食品価格の引き下げを主要な政策課題に掲げ、減税や輸送網の改善、穀物貯蔵能力の拡大、国内肥料生産の増強などを訴えている。
ルラ氏は農業生産の拡大や政府備蓄、農村向け融資を成果として示しているが、双方の政策が有権者の生活実感にどこまで結びつくかが焦点となっている。
9月の世論調査では、過去1年間に「経済状況が悪化した」と答えた人が「改善した」と答えた人を大きく上回った。ブラジル経済は雇用などで改善がみられる一方、累積的な食品価格の上昇、高い金利、債務負担が家計に残っており、経済指標と国民の実感の差が選挙戦の重要な論点となっている。
