SHARE:

マリ襲撃、国連人権事務所が非難「戦争犯罪」、サヘル地域の治安悪化

問題となっている事件は19日、マリ北部のアネフィスとガオを結ぶ地域で発生した。
マリ、首都バマコ郊外、国連マリ多面的統合安定化ミッションの装甲車(Bloomberg)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は23日、マリ北部で武装勢力に投降した国軍兵士が拷問を受け殺害されたとみられる事件を強く非難し、独立した調査を実施するよう求めた。国連は事実であれば国際人道法に反する戦争犯罪に該当する可能性が高いとの認識を示し、責任の所在を明らかにする必要性を強調した。

問題となっている事件は19日、マリ北部のアネフィスとガオを結ぶ地域で発生した。国軍の車列が武装勢力の待ち伏せ攻撃を受け、国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」とトゥアレグ系分離主義勢力「アザワド解放戦線(FLA)」が共同で攻撃を実施したとされる。FLA報道官は軍事政権の兵士50人以上が死亡したと主張しているが、詳細は明らかになっていない。

さらにJNIMはインターネット上で兵士とみられる男性たちが両手を頭の後ろに置いて投降する様子や、捕虜を銃殺する映像を公開した。

OHCHRは映像の行為が事実であれば国際法違反になると指摘。「投降した兵士数十人が拷問・殺害されたとの報告を深く憂慮している」と述べ、映像を含めた証拠の検証を伴う独立調査の必要性を訴えた。

これに対し、FLA報道官は地域で発生したあらゆる人権侵害について独立調査を支持すると表明する一方、問題の映像については「まず真正性を確認する必要がある」と主張した。JNIMはコメントを出していない。

マリでは近年、軍政とイスラム過激派、分離独立勢力との戦闘が激化している。今年4月にはJNIMとFLAが各地で大規模な同時攻撃を実施し、国防相が死亡するなど、大きな被害が出た。

今回の待ち伏せ攻撃も両勢力による連携の強まりを示す事例と受け止められている。国際社会はサヘル地域全体で武装勢力の活動が拡大する中、人権侵害の防止と紛争当事者への国際人道法の順守を求めている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします