モロッコ政府「スペインはセウタへの移民流入予見できた」
モロッコ政府は、スペイン当局は判決による影響を十分に予見できたはずだと指摘し、自国が意図的に国境管理を緩和したとの見方を否定した。
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モロッコ政府は3日、スペイン領セウタで発生した移民流入を巡り、スペイン側が事前に影響を予測し、適切な対策を講じるべきだったとの認識を示した。スペインでは先月、裁判所が移民の即時送還(プッシュバック)を制限する判断を下しており、モロッコ側はこの司法判断が人身売買組織や移民に誤った期待を与え、大量流入を招いた主因だと主張している。
問題となっているのは、アフリカ北部に位置するスペイン領セウタへの不法入域である。スペイン裁は7月8日、海路でセウタに到着した移民について、即時の送還措置は適用できないとの判断を示した。この決定を受け、人身売買組織が「スペインに渡れば滞在できる」とSNSで宣伝したことで、多数の人々が海を渡る危険な試みに踏み切ったとされる。
モロッコ政府は、スペイン当局は判決による影響を十分に予見できたはずだと指摘し、自国が意図的に国境管理を緩和したとの見方を否定した。モロッコは約2万4000人規模の治安要員を国境警備に投入し、これまでも数千件規模の不法越境を阻止してきたと説明している。
一方で、今回の事態では約4万人がセウタに流入したとモロッコ側は発表しており、スペイン政府は約6万9500人をモロッコに送り返したとしているなど、双方が公表した数字には差がある。
今回の混乱では、多数の死者も確認された。スペイン側は72人、モロッコ側は11人の死亡を報告しており、海を渡る危険な移動が深刻な人道問題となっている。また、セウタには数百人の保護者のいない未成年者が取り残され、収容施設の不足や生活環境の悪化が課題となっている。スペインの法律では未成年者は保護対象となるため、対応の長期化も懸念されている。
セウタ自治政府はモロッコが事実上流入を容認したとして批判を強めているが、モロッコ側はこうした指摘を否定し、長年築いてきた両国の移民管理協力が今回の問題で損なわれたことに遺憾の意を表明した。
欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長も移民を外交的圧力の手段として利用すべきではないと強調するとともに、EU域外との協力強化や密航組織の取り締まり、域外国境管理の強化を進める必要性を訴えている。
今回のセウタ危機は欧州の移民政策や周辺国との協力体制の在り方を問う事態となっている。
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