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スペイン領セウタ移民大量流入、死者72人に、国境警備強化

事件は7月31日、モロッコと国境を接するセウタで発生した。
2026年7月31日/スペイン領セウタに到着した移民たち(AP通信)

北アフリカのスペイン領セウタで発生した大規模な移民流入を巡り、スペイン当局は2日、死者数が72人に達したと発表した。新たに海岸で5人の遺体が見つかったという。今回の事態は近年の欧州への移民流入を巡る危機の中でも最悪規模の惨事となった。

事件は7月31日、モロッコと国境を接するセウタで発生した。5万~6万人規模の移民が陸路や海路から一斉にスペイン入りを目指し、国境検問所や海岸に殺到した。スペイン政府によると、6万人余りがセウタへの流入を試み、多くは海を泳いで渡ろうとしたり、防波堤を越えたりして入域を図った。しかし、海で溺れたり、混雑した国境付近で将棋倒しになったりした結果、多数の死傷者が発生した。

スペイン当局は1000人以上を治療したほか、国境警備を強化するため、海上に約500メートルの浮体式バリアを設置した。また、多数の警察官や治安部隊を追加投入し、不法越境の阻止と治安維持に当たっている。サンチェス(Pedro Sánchez)首相は、セウタに不法入域した人々はスペイン本土や他の欧州連合(EU)加盟国へ移動することは認められず、多くがモロッコに送還されるとの方針を示している。

一方、モロッコ政府は確認している死者数を11人と発表し、スペイン側が公表した72人と大きな開きがある。両国は犠牲者数の把握や死因の確認を進めているが、現時点で統一した見解には至っていない。

スペイン政府は今回の大規模流入の背景として、SNSで拡散された誤情報や人身売買組織による偽情報があったと指摘している。最近のスペインの移民政策や司法判断について、「セウタに入れば欧州に居住できる」といった誤った情報が広まり、多くの人々が危険な越境を試みた可能性があるとしている。

今回の危機を受け、EU各国では域外国境の管理強化を求める声が高まっている。22カ国が共同対応を求める一方、イタリアは安全保障上の懸念からスペインとのシェンゲン協定上の自由往来を一時的に制限する措置を打ち出した。

移民への対応と人道的保護の両立をどう図るかを巡り、EU全体で議論が活発化している。

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