スリランカで井戸枯渇、エルニーニョによる干ばつ深刻化、農家の収入急減
スリランカ政府は今回のエルニーニョを過去最悪級の「自然災害」と位置付け、警戒を強めている。
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スリランカでエルニーニョ現象の影響による干ばつが続き、農村部の生活と農業生産に大きな打撃を与えている。東部アンパラ県や南東部モナラガラ県などでは雨量が平年を大幅に下回り、多くの井戸や河川、ため池が干上がる事態となっている。政府は給水車による支援を進めているものの、一部の地域では住民が水の配給を受けるまで数週間待たなければならず、水不足は日常生活そのものを脅かしている。
特に大きな影響を受けているのが農業従事者である。農村部では畑作や家畜飼育が主要な収入源となっているが、長期間の少雨によって作物が枯死し、収穫量が大幅に減少している。アンパラ県の農家の中には、かつてササゲ豆の栽培で毎月約2万ルピーの収入を得ていたものの、現在は収穫がほぼ途絶え、日雇い労働に頼らざるを得なくなった人もいる。家族経営の養鶏業を断念する事例も報告されており、農村経済全体に深刻な影響が広がっている。
水不足は家畜の飼育にも影響を及ぼしている。農家の中には限られた水を牛やヤギに優先的に与え、自らの生活用水や食事を削る家庭もあるという。収入減少と生活費負担の増加が重なり、一部地域では食事の回数を減らす住民も出ている。干ばつは単なる農業問題ではなく、地域社会全体の生活基盤を揺るがす人道的課題となっている。
スリランカ政府は今回のエルニーニョを過去最悪級の「自然災害」と位置付け、警戒を強めている。全国各地の貯水施設では水位低下が進み、一部のため池では貯水量が通常の1割程度まで落ち込んだ。今後も十分な降雨が得られなければ農業生産のさらなる縮小が懸念され、食料価格の上昇や地方経済の悪化につながる可能性がある。
2022年の経済危機からの回復を目指すスリランカでは、農業が依然として多くの国民の生計を支える重要産業である。今回の干ばつは気候変動と異常気象に対する脆弱性を改めて浮き彫りにした。専門家は灌漑(かんがい)設備の強化や水資源管理の改善に加え、干ばつに強い農業への転換を進めなければ、同様の危機が頻発する可能性があると指摘している。
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